日々の健康管理でよく耳にする「養生」。その基本知識や、自分の体との向き合い方について紹介します。教えてくれるのは、漢方アドバイザー・国際中医薬膳管理師・国際中医美容師で、SNSで発信する養生情報も人気の久保奈穂実さん。季節の変わり目の不調対策のヒントを見つけてみて。

カップを手に持ち横を向く女性
養生習慣を取り入れて心身を整えよう
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「養生」ってなんですか?

日々の健康管理でよく耳にする「養生」。それは病気になる前に、食事や生活習慣を通じて、体と心をケアしておくことを意味します。

そのためには、体からのサインを読みとることが大事。残暑の疲れやすさも、冷えのせいなのか、熱がこもっているからなのか…。細かな症状の違いや体質によって、ケア方法は変わります。

自分の体の状態と向き合い、小さな不調を見逃さずに適切な「養生」をすることで、病気や、より深刻な不調を未然に防ぐことができるのです。

知っておきたい養生の基本知識

養生のベースとなる中医学(中国伝統医学)の基本は、症状への対処よりも体の「バランス」を整えることを重視します。

●「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスを整える

体には「気・血・水」の3つの要素があり、これらが不足なくバランスよく巡っている状態を健康と考えます。

「気」は生命維持の源となるエネルギー。不足すると疲れやすくなり、滞るとイライラします。

「血」は体に栄養を運ぶ赤い液体を表し、滞るとコリや痛みにつながり、不足すると貧血、不安や不眠になることも。

「水」は血液以外の液体を表し、滞るとむくみや重ダルさを引き起こします。不足すると肌や髪の乾燥や、ほてりにつながります。

気・血・水のバランス

「排出する」「巡らせる」「補う」でバランスをとって!

●あらゆるものは「陰」と「陽」に分かれる

陰と陽の分類

中医学は、あらゆるものを「陰」と「陽」に分類して考える「陰陽説」に基づきます。

表のように、活動的で明るく温かい性質が陽で、暗く冷たい性質が陰。どちらがよいということではなく、バランスを取り合う関係です。体にも陰と陽があり、生活習慣や食事の偏りなどで、バランスを崩さないことが大切です。

●「五臓(ごぞう)」の働きとバランスを整える

体の働きや機能を肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)の5つ=五臓に分類。五臓は心臓、肝臓などの臓器だけを指すのではなく、より広くその機能や概念を含みます。

五臓は互いに働きを高め合ったり、抑制し合ったりしながらバランスをとっています。また、五臓はそれぞれが季節や体の部位、感情、味にも相関関係があります。

「五臓」とは?

・肝…血の貯蔵や血量の調整など。気を巡らせ自律神経を安定させるほか、ほかの臓が正しく働くように調整する。ストレスに弱い。

・心…血を体のすみずみに届け、精神や意識を安定させる。筋肉や関節などに栄養を送り、スムーズに動けるようにする働きも。

・脾…消化吸収を担い、食べ物から滋養物質をつくり出し、肺と心に運ぶ。水分の吸収と排出の働きの一部も担当している。

・肺…呼吸をとおして新鮮な空気を体に取り込み、全身に気や血を送り届ける。皮膚や粘膜の生成、免疫機能、水分代謝にも関わる。

・腎…生命エネルギーの源で、成長や発育、生殖、ホルモン分泌、知能、知覚、運動系の発達と維持に関わる。体を温めて血を生成する。