「電子レンジでつくる食事はおいしくない…」そんな苦手意識がある人こそ、便利な調理器具として電子レンジを見直して欲しいと、料理研究家の小田真規子さんは話します。とくに、食事づくりが面倒になってきた60代以降の世代にはメリットいっぱい。成功のコツとおすすめレシピを教わりました。

エプロンを付けた女性
料理研究家の小田真規子さん
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レンチン料理は「1人分の食事づくり」にもオススメ

60代はライフスタイルの変わり目。世帯の人数が減ったり、これまでの仕事や生活時間が変わったり…家族のための食事の支度が不要になった人も。料理研究家の小田真規子さんは、こうした60代以降の少人数世帯こそ電子レンジを使った調理が向いていると話します。

「自分のためだけにつくる食事というのは、かえっておっくうに感じるもの。そんな人に味方につけてほしいのが電子レンジです。温め直しだけに使っていた電子レンジを調理道具として見直してみると、食事づくりが気楽になります」(小田さん)

これまで25年あまりレンジ調理の研究を重ねてきた小田さん。「豚のショウガ焼き」や「鶏の照り焼き」「煮込みハンバーグ」など、今まで鍋やフライパンで人数分つくっていた料理や、「カレーライス」のような1人分ではつくりにくい普段のおかずも「レンチン」だけでつくれるレシピを多数提案してきました。

「火を使わないから安全だし、あと片付けもラク。もちろん、おいしさには妥協しません」と語る、レンチンレシピのなかから、60代以降の世代にとくにうれしい、タンパク質がしっかりとれるメインおかずを教わりました。

レンチン調理の成功のコツは「器選び」

食器
22~24cmの浅型の皿(写真手前)と16~18cmのボウル(奥)

レンチン調理の成功のポイントとしてまず守ってほしいのが、耐熱性の陶磁器の調理器具を使うこと。

レンチン調理では、電子レンジのマイクロ波が熱源。加熱中に使う器がマイクロ波によって温められ、調理器具の代わりになります。プラスチックの保存容器ではなく、電子レンジで使用できる陶磁器の器を使うことで、器自体も熱を持ち、フライパンや鍋のように、中に入った食材に直接熱を伝えます。

また、器には蓄熱性があるため、レンジから取り出したあとも余熱調理が可能に。調理したまま食卓に出せるので、洗いものが少なく、あと片付けもラク。

おすすめは直径22~24cmの耐熱の浅型の皿と、16~18cmのボウル。円形で縁に立ち上がりのある器は、箸やフォークで全体を混ぜやすいメリットもあります。

※ 金銀の彩色のある磁器、耐熱でないガラス製品、ホウロウやステンレスなど金属を使った器、木製品、漆器などは避け、「電子レンジ使用可能」と表記のあるものだけを使いましょう