思春期の心とカラダは不安定になりがち。10代は大人よりも生理痛がひどいこともあります。お子さんが抱えている悩みに、どう寄り添ってあげればいい?と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、婦人科医師に生理痛や婦人科受診にまつわる疑問を聞いてみました。専門家に相談することで、母娘ともに、心も体も前向きになれる解決策が見つかるはずです。

生理痛がつらそうな子どもに対してこう思っていませんか?

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・「生理痛は、みんなが通る道だからガマンだよ!」

・「痛み止めでなんとかなるならそれでやりすごして!」

・「私は生理痛があまりなかったけどな。そんなに痛いの?」

・「まだ子どもなのに婦人科に行くなんて…」

その考え、少し見直してみませんか?

●じつは10代でも生理痛がつらく、学校生活に支障を来すことがあります

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子宮は経血を排出するために「プロスタグランジン」の作用でギュッと収縮します。10代ではまだ経血の通路が狭かったり、体質的にプロスタグランジンの量が多い人は痛みを強く感じやすく、学校生活に影響がでることも…。

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※ 1 Hoka C,et al.Jpn J School Health 62;2020:314-323より作図 集計期間:2017年7-8月 集計方法:女子高生611人のうち生理痛により婦人科受診をしたことがない388人を集計の対象とした

大事な試験日や勉強に集中したいときに影響が出ているかもしれません。つらい生理痛の対策には婦人科受診という選択肢があります!

●10代の婦人科受診のきっかけは「母親からのすすめ」が多かったことがわかっています

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※ 2 科学研究費助成事業(KAKEN)研究成果報告書(課題番号:16K12098) 思春期・青年期女性の婦人科受診に至る判断と行動のプロセス(研究期間2016年-2019年)より作図

生理痛は成長とともに軽くなることが多い一方、逆に痛みが強くなる場合もあります。親にも言えず、ひとりでがまんしている子も少なくありません。つらそうにしていたら、「一緒に病院に行ってみようか?」と声をかけるだけで、受診への大きな後押しになります。

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母娘で学ぼう!思春期の「婦人科受診」Q&A

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婦人科受診やお薬について、まず親が知ることが、子どもの安心感につながります。

Q:生理痛くらいで婦人科へ行っていいの?

A:心配なことがあれば、気軽に受診して

生理痛の症状の重さに関わらず、悩みがあれば受診OK。まだ生理の経験が浅い10代は不安もいっぱい。「量が多い」「周期が不安定」「生理前につらくなる」といった悩みも、まずは気軽に相談を。

Q:生理痛は放っておいても大丈夫?

A:子宮内膜症などの病気が隠れている可能性があります

生理痛の背景には子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れている可能性もあります。とくに子宮内膜症は将来の不妊に繋がることが指摘されています。「たかが生理痛」と思わず、安心のためにも婦人科受診を。

Q:生理痛の治療にはどれくらいお金がかかる?

A:ひと月あたりの費用は数百円~数千円程度

初診には約3千円程度(※)の費用がかかります。通院時は、治療内容や薬の種類にもよりますが、ひと月あたり数百円~数千円で治療を受けられます。

※ 血液検査やエコーなどの実施で最大5千円程度になることもあります

Q:10代の生理痛にはどんな治療薬があるの?

A:鎮痛剤やホルモン薬、漢方薬など。まずは医師と相談を!

症状に加え、成長の状況や学校や部活などのライフスタイルに合わせて選択します。どの治療薬が娘さんに合うか医師と相談して決めましょう。

Q:内診って必ず受けないとダメなんでしょ?

A:不安があればほかの検査方法で代用できることも

内診はマストではなく、おなかの上からのエコーや問診で済む場合もあります。もし、診察に抵抗があれば医師に伝えましょう。なお、生理中でも受診は可能です。

Q:どんな婦人科を選んだらいい?

A:娘さんのニーズに合うところを一緒に探してみては?

近隣、女性の医師がいるなど娘さんの視点で一緒に探してみて。最近は婦人科併設の「ユースクリニック」もあります。もし自分がかよっている婦人科があれば同じところに一緒に行くのもおすすめ。

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女性にとって、長くつき合っていかないとならない生理痛。若いうちから専門家に相談しておくと安心ですね。今回の記事、ぜひ参考にしてみてください。

提供/持田製薬