人生100年時代といわれる中、ずっと健康でいるためには、筋力トレーニングよりもまず、体の軸を整えることが大切です。そこで今回は、鍼灸師の稲村 崇さんに1日4分から始められる健康体操「スワイショウ(揺らし体操)」を教えてもらいました。
※ この記事は『痛み・体調不良すべて解消できる 超歩行』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
すべての画像を見る(全4枚)中国発祥の健康体操「スワイショウ」で体の軸を整える
スワイショウは、中国発祥の健康体操で、とくに太極拳や気功の準備運動として多く用いられています。腕を振るだけの簡単な動きで、全身の筋肉をほぐし、リラックス効果を高めながら、体の様々な軸を整えることができる運動です。
スワイショウには、「体の左右の軸を整える」「体の前後の軸を整える」「体の上下の軸を整える」という3つの方法があります。これら3つのスワイショウを行うことで、転倒防止、腰や肩の痛みの軽減、老化の遅延といった効果が期待できます。
1:体の左右の軸を整えるスワイショウ
まず、基本となる「体の左右の軸(横軸)を整える」スワイショウからやっていきましょう。
このスワイショウの目的は、体のふらつき防止、腰や肩の痛みの軽減、老化防止、夜間の頻尿・冷えの改善です。
まず、体の力を抜き、肩幅ぐらいに足を広げて立ちます。そして、骨盤を中心に体を左右にねじります。この動きに慣れてきたら、腕の振りも加えていきます。この時、無理に腕を振ろうとせず、骨盤の回旋に意識を集中して、腕の力を抜いてください。骨盤の回旋につられて腕が自然に振れるイメージです。この動作を「4分間」行います。
最も重要なのは「脱力すること」です。初めはぎこちなくても、毎日続けることで自然に脱力できるようになります。脱力するほど効果は高まります。手を振った時に腎臓のツボのあたりに適度な刺激が加わりますので、夜間の頻尿や冷え性にも有効です。
上下や前後の軸を整えるスワイショウをやる時間がない場合は、この左右の軸を整えるスワイショウだけでも十分な効果があります。
2:上下軸を整えるスワイショウ
体の上下の軸を整えるスワイショウは、慢性的な腰痛や股関節痛の改善に役立ちます。
胸のみぞおちのあたり、東洋医学で言う「鳩尾(きゅうび)」というツボを中心に、背中を反らしたり丸めたりします。この時、頭はあまり動かさないように注意します。
続いて、背中を反らした時に両腕を前に出し、背中を丸めた時に両腕を下ろします。
この動作を繰り返します。これもできるだけ腕を意識せずに、背中を反らす丸めるという動きを意識してください。
体の上下の軸を整えるスワイショウの一番の重要なところは、背骨の動きです。鳩尾というツボを中心に「反らす、縮める、反らす、縮める」という背骨の動きをしっかり意識してください。反らした時に両腕を前へ、縮める時に両腕を下ろすという動作を繰り返します。意識は背骨に持ってきて、腕は力を抜いて一緒に体についてくるような感じです。
このスワイショウは、横軸のスワイショウより難しいので、回数をこなして慣れるようにしましょう。体がつらい人は無理をせずに1分でも30秒でもいいので、休憩しながらやってみましょう。
体の上下の軸を整えるスワイショウも「4分間」行います。