視野の欠損などの症状が出る「緑内障」。しかし、なかには「緑内障かも?」と思い、医者にかかったところ、「近視」と診断されてしまうパターンも。緑内障は診断の難しい病気のため、近視の症状と混同されることもある、と二本松眼科病院・副院長の平松類先生は言います。緑内障と近視の関係性や、眼科医の適切な探し方について、教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)診断が難しく、誤診も多い「緑内障」
緑内障の診断はとても難しくて、とくに強い近視と混同されることがあります。
緑内障は、眼圧の上昇をはじめとしたさまざまな原因により、視神経がダメージを受けて視野が欠損する病気です。
しかし、じつは強い近視の人のなかにも、視野が欠損してしまう人がいます。また、視野欠損は先天的なケースもあり、必ずしも「視野欠損=緑内障」とはいえないのです。
私の勤める病院でも、ほかの病院で強い近視と診断されたのに、実際は緑内障で、その間の治療が遅れたことで、症状が進行してしまったという患者さんが結構いらっしゃいます。
「緑内障かもしれない…」と少しでも心配なときには、地元の眼科でもよいですが、専門医を受診されることをおすすめします。
●緑内障の専門医はどうやって探せばいい?
では、緑内障の専門医には、どのようにアクセスすればよいのでしょうか。
手っとり早いのはウェブ検索ですが、じつはどの眼科でも白内障・緑内障は取り扱うメインの病気として紹介されているため、一見しただけでは緑内障の専門医かどうかはわかりません。
まず確認すべきは、医師の経歴です。緑内障の専門医であれば、緑内障専門外来での勤務経験、緑内障の手術をおこなった実績例などが具体的に紹介されています。
また、日本緑内障学会の会員であることも専門医である証となります。会員になるためには、現会員からの推薦が必要だからです。
また、「CiNiiResearch(https://cir.nii.ac.jp/)」というウェブサイトの検索バナーで医師の名前を検索し、緑内障に関する論文を発表しているかどうかを確認するのも専門医を見つけるよい方法です。
●緑内障と近視の誤診によるリスク
緑内障と近視は、OCT検査によって判別できますが、専門医でも診断は簡単ではありません。近視の治療方法は確立していないため経過観察となりやすく、実際は緑内障であった場合は、治療が遅れるリスクがあります。