いつにも増して忙しくなる年度末。うっかり寝違えたり、予定をつめ込みすぎてめまいに襲われたりすることもあります。そんなとき応急処置として試してみたいのが、体のさまざまな不調に対応してくれる「ツボ」。「日常でよくあるピンチ」に効くツボを、日本ホリスティックセラピストアカデミー校長の加藤雅俊さんに教わりました。

寝違えたら、マッサージより、首すじのツボで痛みを緩和

 寝違えてしまって首が痛い!そんなとき、つい首をもんでしまいがちですよね。でも寝違えたときは、首が炎症を起こしている状態。マッサージするとかえって悪化するので、ツボ押しで痛みを緩和させましょう。

・首の痛みにおすすめのツボ:天容(てんよう)

 天容は、首やのど、耳、頭など、鎖骨より上の部分のトラブルに効くツボ。自律神経のバランスをとり、心をリラックスさせるため、ストレス解消にも効果があるとされています。

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両耳の下、下あごの骨の角の後ろの位置にあります。耳下から首筋に走る太い筋肉(胸鎖乳突筋)の前側のキワあたりです。首を横にすると筋肉が浮き出て見つけやすくなります。

天容(てんよう):押し方

中指をくぼみに引っかけ、内側に押し込むように。痛みのある側だけ押します。イタ気持ちいいタッチが目安ですが、痛みがひどければ優しく押してください。

歩いていたらめまいが!そんなときもツボでさっと応急処置を

 めまいがするときは、耳の奥にある三半規管が機能せず、平衡感覚が崩れた可能性もあります。症状がひどいときは病院で受診しましょう。応急処置として、平衡感覚を調整してくれるツボを押してみて。

・めまいの緊急処置におすすめのツボ:頭の竅陰(あたまのきょういん)

 耳の後ろにあるツボで、ここを押すと三半規管によい刺激を与え、平衡感覚を調整します。耳が聞こえにくいときや、頭と目の痛みにも効果あり。

 耳の後ろにある出っぱった骨、乳様突起の先端をまず探し、その後ろ上方にあるくぼみが「頭の竅陰」のツボです。

頭の竅陰(あたまのきょういん):押し方

 両手で頭をつかむようにし、親指をツボに当てます。骨に指を引っかけるようにして、後ろから前に押して。左右同時に行います。ちょっと押すだけで痛いので、軽めのタッチで十分です。

※ここで紹介しているツボは、病気を治療するためのものではありません。病院での診療をおすすめします。また、妊娠中や妊娠の可能性がある場合、持病がある場合、痛みがある場合などは、事前に医師との相談のうえ、ツボ押しを行ってください