もんた、外に出る

外で寝転ぶもんた
静かでのびのびと過ごせる糸島での暮らしは、のんびり気ままなもんたにピッタリだ。(写真・もんたの飼い主)
すべての画像を見る(全5枚)

譲渡会で初めて見たときから、もんたはほかの猫とは様子が違ったため、なにかしら健康上の問題がある子かもしれないということは想像していた。

なにか状況を変えたいと試行錯誤しているうち、環境エンリッチメントという考え方があることを知る。超ざっくり言うと「猫にとっての幸せな環境で育てよう」というもの。

福岡市の西側に位置する糸島市は、海と山に囲まれた自然豊かなエリアだ。都市の喧騒から離れつつも、車で30分もあれば福岡市の中心にアクセスできるという、絶妙なバランスの場所だ。ここでは、まるで時間がゆっくりと流れているかのような、独特で穏やかな空気が漂っている。

そんな糸島の山のなかに、もんたの棲(す)み家がある。幸いわが家は敷地が広く、自然に囲まれた環境なので、庭に出て四季を感じ、虫や草に刺激を受けることで、もんたが元気になるかもしれないと思った。

庭とはいえ、屋外なので当然リスクも考えた。ほかの動物との遭遇や交通事故、連れ去り、有毒な植物などさまざまなリスクを回避するために、細心の注意を払わなければいけない。私は、もんたが安全に散歩ができるためのルールを決め、数か月かけて少しずつ外に慣れさせた。

当然、住んでいる場所もライフスタイルも人それぞれなので、もんたと同じような飼い方は難しい。もんたが散歩できるのは、もんたの性格はもちろん、私のライフスタイルや周りの環境の条件がそろっているからこそである。