日差しが強い日が続いていますね。厳しい暑さに体力も気力も奪われてヘトヘト…。さらに、温度差による冷えなどの不調も油断できません。疲れやだるさ、冷え、イライラなどの悩みは、日々の生活習慣を見直すことが大切です。ここでは、漢方専門家の櫻井大典さんに夏の不調の原因について教えてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)冷やしすぎが不調の大きな原因。“養生”で解決を
暑さにより体力を消耗し、疲れやだるさに見舞われる夏。しかし、漢方専門家の櫻井大典さんによれば、「夏は本来、活動的になる季節」なのだとか。
「中国最古の医学書によれば、夏は春に目覚めた万物が成長する繁栄の季節とされています。つまり、本来はエネルギーが外に向かい、元気に過ごすことが望ましいです」(櫻井さん・以下同)
なのに元気がなくなるのは、暑さを嫌い、一日じゅう冷房の効いた部屋でゴロゴロしたり、冷たいものを食べたりして、汗をかかない生活が原因です。
「過度に体を冷やし続けると、秋以降も不調を引きずることに。日々の習慣で病気にならない体を目指す。“養生”の考え方をもとに、食事や暮らしを見直しましょう。体や心の悩みに目を向けて、少しでも行動をあらためることも立派な養生になりますよ」
●“陽”の気が強い夏は“脾”に負担がかかり気・血・水が乱れやすい
体を活動的にする“陽”気が強い夏。冷たい食事に偏ると、五臓のうち消化・吸収を担う「脾(胃腸)」が弱ります。結果、体内を巡る「気(エネルギー)・血(栄養を運ぶ)・水(血液以外の体液)」のバランスが乱れ不調に。
●夏の悪循環
冷たいものばかりをとると胃腸(脾)が冷えてしまい、食欲の低下や消化不良、エネルギー供給不足に繋がります。結果的に気・血・水のバランスが崩れ悪循環となり夏バテの原因に。
こんな人は要注意!
1つでも当てはまったら養生ケアを始めてみて。
●冷たいものばかり食べたり飲んだりする
冷たいものばかりで胃腸の機能が低下し、食欲不振に。それが夏バテを招く原因になります。
●冷房の効いた部屋でゴロゴロ
冷房の効いた部屋で動かず過ごしていては、体が冷えるもの。血流が悪くなり疲労感のもとに。
●イベントで夜更かし三昧
活動的になる季節ですが、休息や睡眠を十分にとらず活動すれば体は疲弊してヘトヘトに。
●入浴はシャワーですませる
冷房による体の冷えを温めて、体をゆるめるためには、シャワーだけでは不十分です。
●体力をつけようとモリモリ食べる
夏はスタミナ食や辛いもので元気をつけようとしがち。しかし、食べすぎると胃腸に負担が。