脚の前後開脚、背中で握手といった、体のやわらかい人にしかできない動き。「自分は体が硬いから、一生無理」とあきらめていませんか?
トレーニング科学の研究者である石井直方さん、荒川裕志さんは「体が硬いと日常生活における動作がスムーズにできなくなったり、思わぬケガに結びついたりすることもあります」と警鐘を鳴らします。
健康を維持し、アクティブな毎日を送るための、柔軟性を高めるストレッチを教えてもらいました。
体が硬いとケガのもとに!習慣化したいストレッチ
「体が硬いとは、関節の動く範囲(関節可動域)が狭い状態のこと。その主な原因は、運動不足や加齢によるものです。また、長期にわたって運動不足の人は、動かし方を意識できなくなっているために、可動域が狭いのと同じ状態になってしまっています」
そこで行うべきなのが、「意識して動かせるようにするコアドリル」と「関節可動域を広げるストレッチ」という2つのアプローチ。
どちらも繰り返し続けることで柔軟性がアップしていくそう。最終的には前後開脚も!
股関節がやわらかくなると、歩きやすくなったり、ラクにかがめるようになったり、活動的になれるといったメリットがあります。
「コアドリル→ストレッチの順に実践していくのが効果的です。時間がないときは、基本ストレッチだけでもできるだけ毎日行うようにしてください」
●股関節のコアドリル<脚の前後スイング>
(1) 背すじ伸ばしたまま立ち、手は腰に当て、股関節を支点にして、右脚をゆっくり前に振る。
(2) そのまま脚を限界の位置まで後ろに振る。(1)と(2)をくり返し、反対側も行う。
●股関節(前倒)のストレッチ
(1) 椅子に右ひざをのせ、左足は前に踏み出す。
(2) 背筋は伸ばしたまま、骨盤を常に正面に向けて腰を前に押し出しながら上体を沈めていく。同様に反対側も行う。
今回、ご紹介したのは「股関節の柔軟性を高めるストレッチ」ですが、体を適切に使えるようにするには、3つのコア「股関節」「肩甲骨」「体幹」の柔軟性を高めることが大切。
『体が硬い人でもやわらかくなるストレッチ』(扶桑社刊)では3つのコアにアプローチしながら、確実に体をやわらかくしていくレッスンを紹介しています。硬いからとあきらめず、前後開脚を目指しましょう!