「だれもが簡単につくれて、健康な体づくりの礎になり、しかも食べ疲れをしないレシピ」を信条としている、料理家の長谷川あかりさん。ここでは長谷川さんが、ごはんづくりを通じて今のようなメッセージを発信するまでの過程を伺いました。簡単につくれる「しょうゆだけから揚げ」のレシピも。

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SNSで話題の26歳料理家。「家庭でつくる料理って、もっと単純でいいんです」
長谷川あかりさん
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長谷川あかりさんが芸能界を経て、料理の仕事にたどり着くまで

Twitter、Instagramで今話題の料理家、長谷川あかりさん。「油も小麦粉も使わない夏カレー」や「味つけはしょうゆだけのから揚げ」「塩辛が決め手のブイヤベース風魚介煮込み」など、見栄えもよく、つくってみたい! と思わされるレシピが人気です。

出汁カレー

 

じつは今の仕事に就く前は、まったく違う芸能の世界に身を置いていたという長谷川さん。小学校高学年から、おもにTVでタレント活動し、高校も芸能コースがある学校へ進学。そこで気がついたのが、同級生たちの食生活でした。

●おいしいものを食べてくれる「胃袋」を探していました(笑)

「同級生は実家を出て、10代半ばの若さで一人暮らしをしている子が多かったのですが、どうしても食べ物の栄養バランスが偏りがちでした。『安く上がるし、スティックパン一袋で一日過ごす』とか。またモデルをしている子たちが、ダイエットのために『今日のおかずはこんにゃくとトマト!』みたいな、極端なランチを食べている姿も目の当たりにし、料理好きの身としては、これはどうにかしなければ、と。

そこで仲のいい友達数名に、週に一回、おにぎりをつくらせてもらったんです。そうしたら喜んでもらえて、『〇〇ちゃんはチーズが好きだから、チーズ入り』『〇〇ちゃんはゴマ油で味つけしてみよう』と、一人ずつの好みに合わせて変化をつけてみたりするようになりました。そうやっていくうちに、『みんなを健康にしたい』『私の料理を食べてくれる胃袋、大募集!』みたいな感じになって。料理をつくるのがどんどん楽しくなっていきました」

――その後、20代前半で結婚し、同時に芸能界も引退。もともと好きだった料理の道を究めようと、大学で学び、管理栄養士の資格を取得しました。

「ずっとつくり続けていた料理ですが、一方では、どこかで趣味の域を出ていないようなコンプレックスもあったんです。結婚をし、プライベートや仕事に一区切りがついたこともあり、昔から興味のあった栄養について、基礎から学び直すことにしました。それが22歳。一般的な年齢からは少し遅めのスタートでしたが、夫も、周りの家族も『いいじゃない』と応援してくれたのはありがたったですね。とくに最初の2年間は朝から晩まで勉強漬けの毎日を過ごしました」