タオルや化粧品など、洗面所にちょっとしたものを置けるスペースをDIYしてみましょう。狭小スペースでも設置できて、あるとなにかと便利な折りたたみ棚のつくり方を紹介します。横幅50㎝ほどの狭小洗面所に棚をDIYで設置した様子を、マンションの大家でもある日刊住まいライターがレポート!

棚板を開いたところ
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目次:

棚板はカット済みの木材を撥水生地でくるむだけタッカーで生地を板に留めるだけで棚板が完成折りたたみ金具は「タナー」がおすすめ設置はプロに依頼したほうが無難使うときだけ開けばいいのでコンパクトで便利

棚板はカット済みの木材を撥水生地でくるむだけ

折りたたみ棚の設置位置

今回筆者が棚を設置するのは、リノベーション工事中の部屋です。洗面の左手が浴室なので、右側の壁に折りたたみ棚を設置する計画。DIYのポイントはずばり「なるべく手を抜いてつくること」。

マリメッコの撥水生地

棚板の表面に張るために用意したのは、マリメッコの人気の柄のひとつ「RASYMATTO」の撥水生地。ネットで買いました。これで板をくるんで棚板にします。塗装にくらべて手間がかからず、作業に伴う汚れの心配もありません。

棚板用の木材

棚板の材料は東急ハンズで購入しました。サイズは幅30㎝×奥行き15㎝×厚さ1.5㎝。手間を省くためカット済みの板材を購入しましたが、サイズにこだわりがあるならカットサービスを利用するなどして好みの大きさにしてください。

カットした生地と板のサイズ

板をくるむ余裕を持って生地をカットします。30㎝×15㎝の板に対して生地はおよそ50㎝×30㎝に切りました。「生地が小さくない?」と思われるかもしれませんが、裏側は見えないので前面だけをカバーできれば問題ありません。

タッカーで生地を板に留めるだけで棚板が完成

生地を板に留めるためにタッカーを使います。

ミニタッカー

ミニサイズならネット通販で1000円程度とリーズナブル。スツールの生地の張り替えなどにも使えて便利です。

生地の余白のサイズ

布を留めるときは板をセットする位置が大事。左右は均等に10㎝ずつ余白を取り、タテ方向には上側に約12㎝、下側に3㎝ほど余白を取ります。

生地をタッカーで板に留める

まず、下側の生地の端を板の端に合わせてタッカーで留めます。

生地を留めた棚板

続いて生地の反対側(上側)をたるまないようにないように引っ張りながらタッカーで留めます。棚受けの金具を設置する部分を残すため、留めすぎないようにしましょう。

生地のサイドを折りたたむ

次はサイドの生地を折りたたみます。ラッピングの要領でしわにならないように折りこんでいきます。

折りたたんだ生地をタッカーで留めた

折りこんだ生地をタッカーで留めます。

完成した棚板

逆側も同じように折って留めたら棚板の完成。板が見えててしまっていますが、こちらの面は見えないので気にしません。

完成した棚板の表側

ひっくり返すと、表はこんな感じに仕上がります。撥水生地でくるんだだけにしてはきれいな出来です。慎重に作業しても1時間はかからないと思います。

折りたたみ金具は「タナー」がおすすめ

棚板の準備ができたら、今度は折りたたみ金具を準備しましょう。さまざまな種類の折りたたみ金具がありますが、今回使用するのはこちら。

折りたたみ式棚受け金具「タナー」

田邊金属工業所の折りたたみ式棚受け金具「タナー(TANNER)」です。

タナーを開いたところ

今回使用したのは15㎝のもの。ネット通販で購入しましたが、2個セットで1628円というリーズナブルな価格でした。ほかにもいろいろなサイズがあり、色は黒や茶色もあるので、目的やインテリアに合わせて選べます。

棚板に金具を固定する

この金具を先ほどつくった棚板にネジで固定します。先ほどタッカーで留めた部分とかぶらないように注意しましょう。金具の反対側は壁に固定することになります。

設置はプロに依頼したほうが無難

せっかくの棚も使いにくかったら意味がありません。設置前に位置をしっかり検討しておくのも大事です。

棚板の設置位置の確認

今回は脱衣所用なので、高さは洗面と同じくらいの80㎝に設定しました。

設置後の棚板

場所が決まったら水平に注意しながらネジで壁に固定すれば完成なのですが、意外にここが難所となる可能性があります。折りたたみ式に限らず、棚受け金具の設置には壁の材質や強度が重要。ですが、それを素人が見きわめて適切な固定方法を選ぶのはなかなか難しいのです。

固定する場所が木の柱だったり、厚みのある合板などであれば付属のネジで問題なく固定できるのでDIYも簡単ですが、石膏ボードやコンクリートブロックだったりすると話は違います。

壁面の下地探し

石膏ボードの場合、クギが効かないので、木の下地が入っている部分を探す必要があります。また、下地のない箇所に取りつけるときは、下地を補強する必要もあります。コンクリートブロックの場合は、インパクトドライバーで穴を開けてからアンカーを打ち込む必要があります。

下地の状態を判断して適切な取りつけ方法を選べる自信がない場合、設置はプロにお願いするほうが無難です。うちのマンションの工事では、入居者さんが使う設備は安全第一なのでプロに設置をお願いしています。

プロによる棚板の設置風景

これは以前、別の部屋に設置してもらったときの様子。今回もほかの備品の設置と合わせて大工さんにお願いしました。

使うときだけ開けばいいのでコンパクトで便利

設置が完了したら実際に使ってみましょう。

設置後の棚板・折りたたんだ状態

折りたたんだ状態だと存在感控えめ。

折りたたみ棚を開く

開くときは片手でOK。カチャッと音がするまで開けばロックされます。

棚板を開いたところ

小さい棚板なので、開いたあとも脱衣所に人が立つだけのスペースが確保できました。

タオルなどを棚板にちょい置き

着替えやタオルなどがちょい置きできますし、洗面を使うときの補助スペースとしても便利。

ロックをはずして棚板をたたむ

使い終わったらたたみましょう。棚板を少し上に持ち上げながら金具を内側に折り込むとロックがはずれます。

棚板をたたんだところ

たたんでしまえばほとんど邪魔にならないのがいいんです。キッチンやワークスペースなどに設置するのもありかも。

最後に費用をまとめると、板材は770円、折りたたみ金具は1628円、生地はおためしのハーフカットで2860円。合計で5000円ちょっとでした。自宅に余った木材や生地をうまく活用すればさらにリーズナブルに済ませることもできます。かんたん&便利な折りたたみ棚、ぜひトライしてみてください。

※取りつけの際には耐荷重に注意し、また地震の際などに落下してケガをしない場所を選びましょう