住まいの印象を大きく左右する壁や建具の仕上げ。新築でもリノベーションでも、必ず押さえおきたいポイントです。とくに色を楽しみたいなら要チェック。自宅リノベを経験し、DIYも得意な日刊住まいライターが、以前から気になっていたカラーワークスの東京ショールーム(東京都千代田区)を訪ねました。英国では歴史的建造物の修復にも使われているという、塗料メーカーのファロー&ボール社の壁紙のなかから、和の空間に合う柄を発見! おおいにDIYの参考になったそう。さっそくレポートします。

カラーワークスの東京ショールームの外観
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目次:

住まいをトータルにコーディネートできる上質な塗料バリエーション豊かな壁紙。モダンな和の空間にも合いそう!壁紙の使い道いろいろ。家具に貼る!額装して飾る!DIYで気軽に使うなら、ミニサイズが便利DIYが不安な人向けに、ペイントインストラクター派遣サービスもある

住まいをトータルにコーディネートできる上質な塗料

英国のファロー&ボール社のショールーム

1階はカラーワークスが代理店を務める、英国のファロー&ボール社のショールーム。英国の歴史的建造物の修復にも、多く使われている塗料会社だそうです。上品で繊細な色合いの塗料と壁紙が並んでいました。

揮発性有機化合物(VOC)がほとんど含まれない、環境にやさしい水性塗料だそうです。

英国のファロー&ボール社のショールームの内観

天井や壁をマットに仕上げるエステートエマルション(光沢レベル2%)、水ふきしたい壁にはモダンエマルション(光沢レベル7%)、床や建具、家具に適したモダンエッグシェル(光沢レベル40%)と、3種のツヤがそろっています。

小さい方のサイズでも2.5L(2回塗りで約17.5㎡分、1万7600円~2万3100円・税込み)。新築やリノベーションで、大きな面積を塗装したいときに向いています。モダンエッグシェルのみ、750ml 缶(2回塗りで約4.5㎡分、9240円・税込み)あり。専用のプライマー(下地材)の使用が推奨されている商品です。ハイクオリティなだけに値段も高めだとは思いますが、光沢レベルを使い分けながら家全体を塗装したら、統一感のある洗練された住まいになりそうです。

英国のファロー&ボール社のカラーチャート

全132色を見ることができるカラーチャートは、実際の塗料を塗ってつくられています。ですからカラーチャートの一つひとつの色は、奥行きが深く、光の具合によってさまざまな表情が。塗った壁のイメージが広がります。

英国のファロー&ボール社の塗料と壁紙

もし、購入する場合、色の見当がついたら、サンプルポット(100ml、1430円税込み)を買って試してみるのがよさそうです。まずA4程度の紙に塗って、塗りたい壁にかざして、昼と夜の光の当たり方などを確かめておけば、塗ってみたらちょっとイメージと違った…ということを避けられると思います。

ロンドン自然史博物館とのコラボレーションによる、新色のサンプルポット

こちらはロンドン自然史博物館とのコラボレーションによる、新色のサンプルポット。自然界からインスパイアされた16色がラインナップ。はなやかなデザインのパッケージは、置いておくだけでもインテリアとして映えそうです(サンプルポットの艶は光沢レベル2%のみ)。

バリエーション豊かな壁紙。モダンな和の空間にも合いそう!

ファロー&ボールの壁紙は、絵の具を塗り重ねたような厚みがありとてもユニークです。

英国のファロー&ボール社の壁紙

筆者は、このようなリッチな質感の壁紙を、ほかに見たことがありません。ファロー&ボールの塗料を使って独自の工法でつくられているのだそうです。壁紙の周りのドアや巾木などを同社の塗料で塗ったら、インテリアをトータルコーディネートできますね。

Bumble Beeという壁紙

こちらはBumble Beeという人気の柄。塗料にはゴールドなどのメタリックカラーの色展開はありませんが、壁紙には効果的に使われています。

壁紙は隣り合わせになる色によっても違う雰囲気になる

隣り合わせになる色によって、色の見え方が違ってくる、というのが実感できる展示の仕方でした。

和と感じる壁紙もある

ファロー&ボールの壁紙は落ち着いた色合いで、東洋の影響を色濃く受けたような柄も多く、日本の住まいにもなじみやすいと思います。和室の壁や障子などをモダンに仕上げたいときにもよいのではないでしょうか。

ショールームにも和の扉に貼った例が展示されていました。

和の扉

片面はそのままの状態。

英国のファロー&ボール社の壁紙を貼った和の扉

反対側に壁紙が貼ってあります。英国と日本の伝統が自然に調和した建具リメイク。自宅に和室があればやってみたいです。

壁紙の使い道いろいろ。家具に貼る!額装して飾る!

ファロー&ボールの壁紙は1本の長さが10mで2万900~4万6200円。本格的に家づくりに取り組む機会がないとなかなか手にできない商品だと思いますが、ショールームでは余った壁紙を販売しています。もしタイミングよく気に入った柄が見つかったら、買っておくとよいかもしれません。DIYで使えるチャンスです。

中古のチェストに余った壁紙を貼る

筆者は以前、余った壁紙を買って、中古のチェストに貼ってみたことがあります。壁に貼るよりはハードルが低いDIYだと思います。

壁紙を貼る前のチェストと、貼ったあとのチェスト

無印良品のパイン材のチェストが、世界にひとつだけの家具に。

貼るという手間をかけたくない、そんなときは、サンプルを飾ってみるのもよいと思います。

壁紙を額に入れて飾る

A4サイズの壁紙サンプルを額縁にいれただけですが、アートのように壁に映えます。

DIYで気軽に使うなら、ミニサイズが便利

ファロー&ボールは、どちらかというとプロに施工してもらうことが多い製品だそうです。一方、カラーワークスが開発した水性塗料Hipは、値段もお手頃で、DIYにも使いやすい塗料だと思いました。

抗菌剤が配合されているため、塗膜表面のバクテリアやカビの発生を抑える効果あり。Hipも揮発性有機化合物(VOC)をほとんど含んでいないので、安心して使えます。

カラーワークスのペイント

色数が豊富なので、きっと好みの色が見つかりそう。

カラーワークスのペイントの展示

Hipにはクォート缶(約0.9L。2回塗りで約5㎡分、4378円~・税込み)があるので、壁の一面だけ塗りたいというときでもOK。ショールームで色をつくってもらって持ち帰ることもできます。

カラーワークスのペイントはミニサイズもある

ミニサイズのHip miniは、東急ハンズなどでも買うことができるそうです。200mlと気軽に使えるサイズで、39色がそろいます。ちょっとした家具や小物のリメイクには、これを使ってみるのもいいかもしれません。

DIYが不安な人向けに、ペイントインストラクター派遣サービスもある

自宅でのウェブミーティングの機会が増えている関係で、背景となる壁を塗りたいといった需要も増えているそうです。しかし、DIYで気軽に…といっても、壁を自分で塗るのは、最初はちょっと勇気がいります。

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、ショールームでのワークショップは、一時中止しているそうです。でもその代わりに、カラースタイリストによる色選びのサポートは行っているとのこと。

ペイントインストラクター派遣サービス

また、別途費用はかかりますが、「ダイバース」というペイントインストラクター派遣サービスもあるそうです。事前にカラー相談をし、当日は自宅で養生から片づけまでサポート。はじめてのDIYで不安という方は、利用するのもいいかもしれません。