夏のストックホルムを歩くだけで、心が軽くなる
すべての画像を見る(全8枚)それでも太陽に恵まれた夏のスウェーデンは、人々が生き生きと夏を楽しんでいて、なにもせずに、街を行き交う人の流れを見ているだけでも「私も背筋を伸ばして歩いていこう」と刺激を受けます。
初めてのスウェーデン旅となったマネージャーも、日々興奮気味で毎日2万歩近く歩いて街を散策していました。
そんな彼女に観光案内として選んだ場所は、旧市街に始まり、森を抜けた公園や、美術館、市庁舎など。
そのなかでも印象に残ったのは、深く深く掘られた地下鉄の駅が、世界一長い美術館と称されるほど、どこも個性豊かなアートが広がり、存分に楽しんでくれたようです。
暮らしの中に自然とアートがある国
そもそもスウェーデンには「1%ルール」という考え方があり、公共建築の新設や改築時には、建設予算の1%をアートに充てることが推奨されています。
1937年に導入されたそうですが、現在も病院をはじめとする公共建築などで、この考え方が取り入れられています。
かしこまったことではなく、幼い頃から自然とアートに触れながら生活できる環境はとてもうらやましく感じます。
スウェーデンの国会議事堂でも、鮮やかな色彩のテキスタイルアートが飾られています。こうしたアートには、国会で白熱した議論を交わす議員の心を落ち着かせる効果も期待されているそうです。
なんてすてきな発想なのでしょう。
「美しい」と感じる心が、本当の豊かさ
100年以上前に豊かで美しい暮らしについてスウェーデンの思想家エレン・ケイの思想を表す言葉に、「美しいと思うものと暮らすことが、幸せをもたらす」という一節があります。
この言葉には、「人が美しいと言ったものではなく、自分の目で美しいと感じる心を育てられる環境こそがぜいたくであり、豊かさであるのだ」という意味が込められていると感じています。
これは私自身以前から感じていたのですが、アートに限らず、演劇や映画などを批評することにはついつい饒舌になることがあります。好きな映画やアートを問われると、自分の器の底をさらけだしてしまうような照れ臭さを感じることがあります。
なんとも情けない話ですが…。
アートを自分の目で楽しむ力を身につけることが、心の豊かさにつながる。
これは簡単なことのようで、意外と難しいテーマだと思います。豊かに生きることを改めて考えさせられた短い旅です。



