お盆に妹が帰ってきた

犬
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お盆には、妹が上海から帰ってきた。犬は玄関の向こうに見える人影に向かって「ゔぁんゔぁんっ!」と警戒心から吠えた。威嚇している犬の目は三角につり上がっていたが、玄関の扉が軽やかに開き「犬ちゃ~ん! ただいま~!」と妹が現れたその瞬間、「おかえりー! おかえりー!」とよろこんで大歓迎であった。

犬

妹にわしゃわしゃとなでられるうちに、みずから寝転んでもっともっとなでるようにうながした。妹の両手に体を委ねている犬を見ていたら、なんだろう、なんだか、生前の祖母が、私に抱っこされた幼かった犬をみて「みーちゃんに抱っこされて最高~って顔しとる」と笑っていたのを思い出した。

犬

妹に包まれる犬があまりにも最高~って顔をしていたからだ。

犬はいつも正しくて、気取っていなくて、素直。そんな自覚は毛頭ないやろけど、わが家の灯台として家庭を照らしてくれている。妹もまた、犬という灯台をたよりに帰ってくるんやろう。

犬と花火

妹が帰る前夜には、庭で花火をした。打ち上げ花火にも手持ち花火にも「ふ~ん」って感じで関心が薄い。「もう家ん中はいっとくわ」と思ってたかもしれへん。

犬

翌朝、妹と両親をお見送りしたあとはまたふたりきりになった。犬は私のひざにめり込むくらいおしりを寄せて座ってきたので、さびしいんかなと勝手に思った。

犬

8月は楽しかったけど、最後の最後にコロナにかかって寝込んでしもた。犬と元気よく歩けることが、いかに僥倖(ぎょうこう)なのか痛感した。これからの12年目もどうか家内安全で、すこやかな日々を過ごせますように。いつもありがとう。