自分に似合うヘアスタイルはなにか、悩んだことがある方は多いのではないでしょうか。42年にわたってヘア&メイクアップアーティストをしていた藤原美智子さん(67歳)は「年齢で髪型は決めなくていい」と語ります。藤原さんにご自身のヘアスタイル遍歴や大事にしていることを伺いました。

藤原美智子さん
藤原美智子さん
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何歳になっても自分の好きな髪型でいる

「自分に合うヘアスタイルが見つからない」というのは、どの年代の女性にも共通した悩みではないでしょうか。その原因の1つは、メイクと違って髪型は人に任せるしかないから。つまり、ある程度は美容師のセンスと技量に頼らざるをえないからです。

もちろん感覚が合う美容師と出会えたら、ヘアスタイルで悩むことはなくなるでしょう。でも、そうでないとしたら自分でなんとかするしかありません。

私は30代半ば頃から、髪の毛を1つに結ぶというヘアスタイルが定番となりました。これだと美容師のカット次第で自分の印象が変わってしまうこともないし、気に入らないと思いながら我慢する必要もなくなります。

流行りのヘアスタイルにして、自分の好みがハッキリした

20代の頃、「テクノカット」という衿足を刈り上げるショートスタイルがはやったことがありました。当時、街を歩くと「猫も杓子(しゃくし)も」というぐらいに、テクノカットをしている若い女性を見かけたものです。ある日、私もそんなはやりのヘアスタイルにしてみたくなり、美容室でテクノカットにしてもらいました。ずいぶんと印象が変わったので新鮮でしたが、それによって自分のヘアスタイルの好みをハッキリと知ることとなったのです。

「個性的で技巧的なヘアスタイルはあまり好きではない」と。つまり、好みとは真逆のようなヘアスタイルをしたことで、図らずも自分の好みがハッキリしたというわけです。

ところで、髪を1つに結えるとよいことがあります。それは頭が小さく見えることです。私の身長は162cmですが、これくらいだと頭にあまりボリュームがないほうが全身のバランスがよく見えるし、スタイリッシュにも見えます。

それに私のくせ毛もいいあんばいに「ニュアンスヘア」となって生かすことができます。「ヘアスタイル」というと、カットやパーマ、ブローなどによってつくるスタイルを指すことだと思っている人は多いようですが、その根本は「つくる」というより、自分の毛質を「生かす」ことにあると思います。自分の毛質に合わないヘアスタイルにしてしまうと、スタイリングをするのに手間がかかりますが、毛質を生かしたスタイルにすると手間はかからなくなります。