中野区の地域新聞「週刊とうきょう」を創刊し、以来新聞記者を続けている涌井友子さん。93歳を超えた今でも、杖をついてリュックを背負い、中野区内を歩いて取材をしているのだそう。ここでは、日々精力的に活動している涌井さんが心がけている運動習慣や食生活など、健康の秘訣について教えていただきました。
すべての画像を見る(全3枚)93歳、健康の秘訣は「食事、睡眠、運動」
「健康でいられる秘訣はなんですか?」と尋ねられることがあります。
3食のごはんをしっかり食べること、1日8時間眠ること。そして運動。
骨折する前は、自転車で中野区中を走り回っていました。あれが私にとっての運動だったのだと思います。
20年ほど前、姉が電動アシスト自転車のほうがラクだからと、買ってくれました。10年ほどするとバッテリーが古くなり、行きは電動で行けても、帰りは自分の足の力でこぎながら乗るように。
普通の自転車よりもペダルが重く、運転するのが大変です。自転車を買い替えのときに「電動だと速度が出すぎてあぶない」と、普通の自転車に戻しました。でも自転車に乗っていたおかげで、足腰がすっかり鍛えられました。
買い物は杖と一緒に喜んで歩く
現在の運動は、デイサービスでの体操。骨折後、リハビリの延長で通い始めて、今も続けています。
デイサービスでは、簡単なストレッチや筋トレなどを行います。
エアロバイクは、私がいちばん(こんなことで競争してもしようがないのに)と思いますが、つい一生懸命こいでしまいます。そこで気づいたのは、デイサービスに通っている女性たちの脚が細いこと。太ももなんて私の半分ぐらいしかありません。
自転車で中野区中を走り回っていたおかげで、この筋肉がついたのだなと思うと感慨ひとしおです。自転車に乗れなくなってからは、娘たちからウォーキングをするようにと言われています
でもね、私、苦手なんです。散歩とかウォーキングとか。
今までは、大抵どこかに向かって、なにか目的があって移動してきたでしょう。いつも忙しいので、周囲の風景なんて味わう余裕もありませんでした。あらためてウォーキングをしようと思っても、なんだかこそばゆくて。目的もなく、ただ歩くということができないのです。
それを知った娘の久美子は、郵便物やちょっとした買い物などを私に頼むようになりました。
「目的があれば、お母さん、歩くでしょう?」と。
たしかに、おつかいだったら喜んで歩きます。出かけるときは、杖をついて歩いています。多い日で1日7000歩ぐらいは歩いているはず。この杖のおかげで、現役生活が続けられます。