文筆家の大平一枝さんが、グリーンフィンガーとの出会いを求めて、池袋の住宅地にたたずむ植物専門店・RESSOURCES(ルスルス)を訪れました。緑を分け入るようなアプローチを抜けると、明るく清々しい店内へ。店主の庄司愛さんの思いが詰まった、たくさんのグリーンが出迎えてくれました。
すべての画像を見る(全8枚)学者の自邸をアトリエ兼店舗に。光あふれる清々しい植物専門店
店主・庄司愛さんは、草花を愛する母のもとで育った。埼玉の実家には小さな畑があり、母とガーデニングに熱中。母は観葉植物を増やすのもうまく、よく近所に配っていた。
だから彼女がインテリアショップ併設の植物店勤務を経て、グリーン専門のルスルスを開店させたのも自然な流れだった。白金で13年前に創業、4年前に池袋の住宅地に移転してきた。
「オフィスやお店、個人宅の植栽を手がけているので、ある程度の広さと、1階に植物や花器を出し入れできる間口、駐車場が必要で。探しあぐねていたときに、元教育学者さんのこの家と出会いました。中庭をはさんで母屋と書庫があり、アトリエと店舗に理想的な間取りでした」(庄司さん)
花器は、数百円からそろう。植物は常緑樹中心で、「珍しいものより、だれでも育てやすいものを」が信条。
洗練された空間でありながら、彼女の目線はどこまでも低く、育てる側に寄り添っている。
「鉢植えの土からは虫も出てくるし、当然ですが日のないところでは育たない。水のやり方や手入れは、今だ! というタイミングさえ覚えればいい。そうお客さまにお伝えしたくて始めたアトリエ開放日は、楽しすぎておしゃべりが止まらないんですよね」(庄司さん)
人にも植物にも。母から受け継がれた愛が隅々までにじむ、じつに明るく清々しい空間であった。