落ち込んだり、イライラしたり…。心が不安定になりやすいのも更年期症状のひとつ。ここでは産婦人科医の高尾美穂先生、「更年期の心のゆらぎ」の要因3つを解説してもらいました。また、心身のモヤモヤ・不調をやわらげる対処法も紹介します。
※ この記事は『高尾美穂のオトナ世代のこころとからだ相談室』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
すべての画像を見る(全3枚)心がゆらぎやすい3つの理由
更年期症状は、「女性ホルモンの減少」「生活環境」「性格・気質」の3つの要素が重なると強く出やすいといわれています。それにより、心が不安定になることもあります。ひとつずつ紐解いていきましょう。
●1:女性ホルモンの減少
女性ホルモンのエストロゲンは、心の安定に関わる物質の分泌をサポートすることがわかっています。たとえば、幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」は、女性ホルモンのエストロゲンと連動する関係にあるため、女性ホルモンが減ると、セロトニンも減少。うつ状態になったり、不安が増したりなど、メンタルダウンにつながりやすくなります。
また、セロトニンは夜になると、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」に変化して入眠や質の高い睡眠を促します。しかし、セロトニンそのものが減るとメラトニンも十分に生成されず、眠りの質が低下する可能性も。
さらに、更年期は自律神経の乱れから、副交感神経が優位になりにくいため心がリラックスしづらいもの。加えて、オトナ世代はエストロゲンの減少や加齢に伴う不調が次々と現れる時期でもあります。こうした体の不調は、心の不調に直結しやすいのです。
●2:生活環境
これは、自分のいる環境だけでなく、生活リズムや食習慣といった生活習慣なども含まれます。更年期世代は環境の変化が大きい時期。
仕事で重要なポストを任されたり、子どもの思春期や受験が重なったり、親の介護が始まったり、子育てが一段落して夫婦関係が変化したりと、人によってはストレスを感じる場面が増えてきます。
●3:性格・気質
これは生活環境に対して、ストレスを感じやすいかどうかも影響します。がんばり屋さんで責任感がある人、几帳面で生まじめな人ほど、環境の変化によるストレスを受けやすく、心が押しつぶされそうになるかもしれません。
このように、更年期に心がゆらぎやすくなるのは、複数の要因が重なるからです。

