全然ものが減っていないことに激怒!
すべての画像を見る(全7枚)思い出にひたってばかりで、なかなか捨てられない母親に娘は怒り心頭! さらに、残すものが多すぎると、引っ越し先に入らないという問題のほかにも、コストがかかるという新たな問題も…。
「娘さんからすると不要なものでも、お母さまからすると大切なもの。僕たちも片付けをしながら助言や作業のお手伝いはさせていただきますが、処分の最終判断を下すのはおふたりです。そのため、このケースのように、親子で意見が合わない場合、片付けがなかなか進まないこともあるんですよね…」
親子といえど、ものの価値観は人それぞれ。必ずしも本人がいるからといってことがスムーズに進むとは限りません。では、最終的にこの親子はどうなったのでしょうか?
●ふたりを繋いだのは「思い出の品」
「こんなに残して…」と半ばあきれながら娘さんが段ボールを分別し直していると、そこには古いシュシュが1つ発見されました。じつは、2人を繋げたものこそがこの思い出の品です。
「それを見たお母さまが『それはあなたが小学生の頃に気に入ってたものだから捨てられずに取っておいた』と言ったんですね。その言葉を聞いた娘さんの目には大粒の涙。きっと、当時の幸せな思い出や記憶がよみがえったんでしょうね。そこからは、これまでの険悪な雰囲気が嘘のように順調に進み、無事に作業は完了。母子は仲睦(なかむつ)まじげに引っ越し先へと向かっていかれました」
家族ごとに紡がれる物語がある生前整理。思い出の品は、必ずしも「いい」思い出ばかりではないかもしれません。それでも、その思い出が「家族の形」をつくり、絆(きずな)を育むきっかけになることも。生前整理や遺品整理は、単なる片付け作業とは異なり、家族の時間に静かに寄り添う大切なプロセスなのではないでしょうか?
