家族のために尽くす日々のなか、気づけば自分はあと回し。そんな人が“自分ファーストな暮らし”をかなえるためのヒントを紹介します。今回話を伺ったのは50代で5人暮らしのまいまいさん。実家の生花店でパートタイム勤務するかたわら、ダンスチームで活動しています。家族との距離を見直し、自分らしく過ごすためのコツを伺いました。

カラフルなドレスでダンスを楽しむ女性
まいまいさんが「自分ファースト」をかなえたきっかけを伺いました
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長男の嫁だからと自分を抑え続けて

SNSで、趣味のダンスを楽しむ姿を投稿しているまいまいさん。自分らしくいられるようになったのは、最近のことだと話します。

「もともと3人姉妹の長女で、自分をあと回しにしがちな性格。29歳で義父母と同居が始まってからは、いつも自分を抑えていました」

完全同居生活で自分ファースト度はどんどん下がり、37歳で義父が倒れて入院した際にはどん底に。

「その後も義父は入退院を繰り返し、病院の手続きや親族への連絡、クルマで義母を病院に連れて行くのも、すべて私の役割でした。それでも、義母や義理の妹からは、私の至らない点を指摘されて…」

そんななか、義父母がなにげなく言った「老後はじつの娘に面倒をみてもらいたいよね」という言葉に、まいまいさんの我慢は限界に。

「初めて夫につらい気持ちを打ち明けると、夫は、『もう放っておいていいよ』と言ってくれて。気持ちが軽くなりました」

つらい日々のなか、1つだけ楽しみにしていたことも。それは、長男のダンス教室の送り迎えのついでに、10年以上一緒に習っていたヒップホップダンスでした。

「長男は成人し、私も同世代と一緒に踊ってみたいと思うように。SNSで大人のダンスチームを見つけ、参加したくなりました」

ダンスで出会った仲間のおかげで変われた

1回目の応募の際は、発表会の日が手伝っている実家の仕事の繁忙期と重なるので断念。2回目の応募は、練習日に仕事を休まなければいけないスケジュールでした。

「親に小言を言われるのは面倒だな…と断念しようとしましたが、待てよ、と思い直しました。今断念したら、一生このままなんじゃないか、と。一念発起して、参加を決意しました」

チームでは、同世代の友達がたくさんできたと言います。

「“○○ちゃんのママ”ではなく、私自身と向き合ってくれる仲間と出会えて、自分を受け入れることができるようになりました」

義父を5年ほど前に看取り、現在は2人の子どもと夫、義母の5人暮らし。

「義母とは用件があるときしか話さないけれど、それでよしとしています。いい嫁、いい娘でいることより、今は自分ファースト。若い頃に比べれば、シミもシワも増えたけど、等身大の自分が、愛おしいと思えるのです」