53歳でスペインに単身留学し、その後も帰国せずに異国での暮らしを続けているRitaさん(56歳)。スペインでの3年間を経て、現在はジョージアの港町・バトゥミで「旅暮らし」を実践中。物価やビザの条件を考慮して選んだこの地で、言葉も文化も違うなか、買い物や日常のやりとりをとおして、失敗と発見を繰り返しながら暮らしを楽しんでいます。新しい生活の様子をレポートしてくれました。
すべての画像を見る(全9枚)56歳、ジョージアでの「新しい暮らし」
53歳でスペインに留学し3年。ビザが終了するとともに、日本へ帰らなかった理由は、ひとりで飛行機に乗るのも初めてだった私が、知らない国で生きてこれたこと。このうれしさと緊張と発見を、まだ続けたかったからです。
56歳の今、「旅暮らし」という生き方を選びました。新しい舞台は、黒海に面したジョージアの街・バトゥミ。ヨーロッパとアジアのはざまにあり、異国らしさと懐かしさが同居する場所です。
この土地を選んだのは、旅行ビザでも長く滞在できること、そして物価が安めで、生活を整えやすいからでした。
到着してまず向かったのは、やっぱりスーパーマーケットです。どんな場所でも、暮らしは買い物から。そして毎日通ううちに様子がだんだんとつかめてきました。
果物と野菜がお買い得!スーパーの買い物事情
ジョージアは「物価が安い国」と聞いていたので、どんなにお得に買い物できるんだろうと、わくわくしながらスーパーに入りました。ところが最初に目にした卵の値札にびっくり! 10個入りで300円以上。牛乳1Lも300〜500円はします。
「あれ、思っていたよりずっと高い…!」と、カゴを持つ手が一瞬止まってしまいました。
でも救いは野菜と果物。リンゴは2個で60円ほどで、山積みになった色とりどりの果物が並ぶ市場では目移りしてしまいます。気がつけば、私の食卓はフルーツ中心に変わりつつあります。
ジョージアのスーパーでは、野菜や果物は1つずつ量り売りが基本。スペインでは自分ではかりにのせてシールをはる仕組みでしたが、ジョージアでは違います。
はかりの近くに立った瞬間、どこからともなく店員のお姉さんがスッと現れて、颯爽(さっそう)と測ってシールをはってくれるんです。
最初は「えっ、私、ずっと見られてた!?」とびっくり。でも、どうやらこれが普通らしく、慣れてくるとお任せできる安心感で、ほっとする瞬間でもあります。
リンゴもトマトも何種類もあって、見分けがつかないことが多いんです。
そして私は、そのお姉さんに向かって、思いきってジョージア語で「ガマルジョバ(こんにちは)」と声をかけてみたら、フッと笑ってくれて…ちゃんと通じました!
これが私のジョージア語デビュー戦、大成功の瞬間となりました。