片づけたくても、家族が片づけてくれない…そんな悩みを解決するヒントを紹介します。教えてくれるのは、元小学校の先生で整理収納アドバイザー、4児の母でもあるかおるこさん。元汚部屋出身だったというかおるこさんが実践し、効果的だった家族へアプローチ方法を2つお聞きしました。

※ この記事は『元小学校の先生が教える いちばんやさしい 片づけの授業 』(サンクチュアリ出版刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集しています

家族にイライラ
家族にも片づけをしてほしいときのアプローチ方法を紹介
すべての画像を見る(全4枚)

1:相手を変えようとしない。自分を変えることが、家族が変わるきっかけに

「何度言っても、夫が片づけてくれません」「子どもがオモチャを出しっぱなしにします」─そんな家族の片づけに関する悩みは、本当に多く聞かれます。

実際、私の講座に参加される方のなかにも、「家族が片づけられなくて困っています」「家の中をなんとかしたいけれど、自分ひとりでは限界がある」といった理由で来られる方がたくさんいらっしゃいます。

家族が変わってくれたら…。そう願う気持ちは、だれにでもあるものです。

ですが、「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来」という言葉があるように、価値観の違う家族を思いどおりに変えることはとても難しいもの。どれだけ仕組みを整えたり、優しく声をかけたりしても、こちらの思いどおりにはいかず、疲れ果ててしまうこともあるかもしれません。

だからこそ、「家族が変わってくれたらラッキー!」くらいの、ちょっと肩の力を抜いたスタンスでいることが大切です。期待しすぎず、できる範囲で関わっていくことが、結果的にはいい方向に進むことも多いのです。

●自分が「変わりたい」と思ったときに、人は大きく動く

もちろん、人は変わります。私は教員時代、多くの子どもたちの成長と変化を目にしてきました。そして今は、片づけに苦手意識をもっていた人たちが変わっていく姿もたくさん見てきました。

私自身もそう。大きく変われたからこそ、今こうして伝える立場にいるのです。

でも、それは他人に「変えられた」のではなく、自分の意思で「変わろう」と思ったからこそ実現したこと。だれかに無理やり変えられるのではなく、自らが「変わりたい」と思ったとき、人は大きく動き出すのです。

●まずは自分のものから整えてみて

片づけイラスト
まずは自分が、片づけを楽しんでいる姿を見せてみよう

だからこそ、自分が変えられるところを少しずつ変えていくことが、いちばんの近道。たとえば、家族が片づけにくそうなら、収納の場所や動線などの「仕組み」に目を向けてみる。あるいは、声のかけ方やサポートの仕方を少し変えてみる。

もっとシンプルに、「まずは自分のものから整えてみる」ことも効果的です。自分の片づけができていない人に「片づけて」と言われても、説得力がありませんよね。背中で見せることが、いちばんのメッセージになるのです。

人を変えることはできないけれど、人が変わる「きっかけ」になることは、きっとだれにでもできます。