老後の不安に縛られず、自分らしく日々を生きる50代女性のひとり暮らしの事例を紹介します。子どもの独立を機に、4年前から2DK築36年の築古賃貸アパートでひとり暮らしを開始。「もたないおひとりさま生活」の様子をインスタグラムで発信している、ようさん(フォロワー6.4万人)のケースです。ここでは、ようさんが考える現在の生活や、今後の人生について語ります。

ようさん
ようさん(50代)が、4年間のひとり暮らしを経て得た気づきとは? 撮影:林 紘輝(扶桑社)
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50代、ひとり暮らしはさみしい?

ひとり暮らしの部屋

子どもたちの独立をきっかけに、ひとり暮らしを始めてからもうすぐ丸4年になります。

当時、息子は24歳、娘は21歳。子どもたちには以前から「結婚しなくても、30歳になったら自分で生活するように」と話していたので、いつかはひとりになるんだろうなという気持ちはありましたが、それはまだまだ先のことだと思っていたんです。思いがけず早く訪れたひとり暮らしでした。

ようさんの手元
撮影:林 紘輝(扶桑社)

ひとり暮らしを始めてから、インスタグラムも開設しました。フォロワーさんからよくいただくのが「ひとり暮らしってさみしくないですか?」という質問です。

ひとり暮らしをスタートした当初の気持ちは「あれ、案外さみしくないかも?」でした。それまでずっと子どもたちと暮らしていたので、絶対さみしくなるなと身構えていたのですが…。

でもそのときの手帳を見返してみたら、予定をたくさんつめ込んで家に長くいないようにしていたことに気づきました。あれは、寂しさを紛らわせるためだったのかもしれません。半年過ぎた頃、私のなかでひとりの生活が普通になったように思います。人は自然と慣れていくものだなと。

ひとり旅

思えばそれまでの私は、無意識のうちに子どもたちを優先してきました。子どもたちがそれを望んでいたわけではないのですが、自分のなかでそうしてしまっていたんですね。今は自分を優先できるようになったことで、「ひとりって気楽だな」と心から思えるようになりました。

そうやってひとりで生活しているうちに、腹をくくったのか、開き直ったのか…「ひとりでいることを楽しんじゃおう」と思えるようになりました。以前は、ひとりでスタバに入ることすらできなかったのですが、今ではカフェはもちろん、ひとりでお酒を飲みに行ったり、ひとり旅をしたり、新しい挑戦もたくさんできるようになりました。

だれかと一緒にいても、さみしいときはさみしい。そんなふうにも感じます。

老後や健康のことは気負わずに受け入れる

スポーツジム

老後のことはよく考えます。自営業なので定年は自分で決められますが、仕事は何歳まで続けるのか、仕事を辞めたら毎日どう過ごすのか…考えては毎回「まぁ、なんとかなるかな」と結果が出ないことのくり返しです。

でも「健康寿命」という言葉があるように、少しでも長く健康でいられるようにしたいと思うようになりました。食事に気をつけたり、運動が苦手な私でもスポーツジムに通い始めたり。ひとり暮らしになってから、以前よりも健康への意識が高まりました。

とはいえ、年齢を重ねるということは、体の変化や不調と向き合うことでもあると感じます。でも、そうした変化や不調も、無理に抗うのではなく、受け入れながら、気負わずにつき合っていけたらいいなと思っています。