動脈硬化だけじゃない…ドロドロ血液が引き起こす、怖い症状

血液ドロドロ
『まいにち血液サラサラみそ汁』より
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血管には、心臓から送り出される血液を運び、酸素や栄養素を体のすみずみに運ぶ重要な役目があります。

ところが、加齢のほか、食生活の乱れや運動不足などにより血液がドロドロになり、高血圧が続いて血管が老化すると弾力性を失った血管の壁は硬くなり、傷がつきやすくなると栗原先生は警鐘を鳴らします。

「血液がドロドロの状態になると、動脈硬化、脂質異常症、糖尿病をはじめ、脳梗塞・脳出血などの脳血管の病気、心筋梗塞などの心臓の病気、がん、婦人科系の病気、認知症などを発症しやすくなります。血液の汚れは、相当悪化した場合でないかぎり血液検査に表れない可能性があるので、未病の状態を見つけるのは難しいです。

冷え性、むくみ、だるさ、肩こり、髪や肌のトラブルはドロドロ血液に起因する症状のサインかもしれません。これらの症状を放置せず、生活習慣や食事を見直すことで、脳卒中や心筋梗塞といった恐ろしい病気を未然に防ぐことができるのです」

サラサラ血液がもたらす「6つのメリット」

血液がサラサラになると、病気や不調を遠ざけるだけではなく、6つのメリットがあります。

メリット1:血圧の上昇を抑える

血液がサラサラな状態なら、血液の流れがスムーズになり、血圧は自然と下がる。

メリット2:痩せやすく、太りにくくなる

血液は、内臓や体の組織に栄養素を届ける役割がある。血液の流れがよければ、栄養素は体の組織に十分に行き渡り、組織の活性化が進むことで、余分な脂肪がつきにくくなる。

メリット3:肌、爪、髪の状態がよくなる

新しい肌がつくられて、古い皮膚がはがれ落ちることを繰り返す仕組みを「ターンオーバー」という。血流がよくなると、細胞に酸素や栄養素が十分に行き渡り、肌もスムーズに生まれ変わる。

メリット4:肩こりやむくみが改善される

血液は、新鮮な酸素を筋肉にも運んでいるので、筋肉に血液が十分に運ばれないと、酸欠の状態に。肩こりは、酸素不足でたまった疲労物質をスムーズに排出できなくなり、筋肉が硬くなることで起こります。むくみも、血流をよくすることで改善される。血液の流れがよくなると、細胞と細胞の間に溜まりがちな老廃物を回収し、余分な水分も排出する。

メリット5:冷えが解消される

血流をよくすると体温が上がり、冷えが解消されます。これは、血液が全身をすみずみまで循環することにより、体温を適度に保つという働きと関係している。

メリット6:免疫力が高くなる

病原菌やウイルスなどの異物から体を守る「免疫力」は、体温と深く関係している。免疫力が高まる体温は、36.5~37℃未満。血液の巡りをよくして、体温を適度に保つことにより、免疫力が向上する。