ESSEonlineが注目する60代のひとり暮らし。YouTubeチャンネル「bonbons」で小さく暮らす方法を発信している60代のナツさんは、30代で離婚してひとり暮らしに。50代後半になって正社員を辞めて気持ちも体もラクになったといいます。ここでは、収入が減っても暮らしがまわる節約のコツと、健康を保つために心がけていることについて伺いました。
すべての画像を見る(全6枚)1:収入減でも貯金は確保、ギスギスしない収支バランス
50代半ばで、体と精神の消耗が過ぎる仕事を手放し、派遣契約で事務職へゆる転職。負荷と気持ちが軽くなった分、当然、所得も軽くなりました。
次なる課題は、収入に見合う暮らしの調整です。都内から賃料の安い郊外へ引っ越し、収支についても現実と否応なく向き合うことに。そこで、役に立ったのが、家計のルール化でした。
●収支の把握と先取り貯金の当たり前を淡々と
心の安定は、経済の安定から。なにしろ、人生を逃げきる財産も後ろ盾もない、独り身のシニア。限りある貯えが目減りしていく生活は、精神の安定を欠くに違いなく、できれば避けたいところです。やはり、ここで大切なのは、支出が収入を超えない生活設計。貯金もできれば、一層メンタルが健やかに保てそう。
そこで、まずは収支の把握から着手。家計簿をつけ始めました。貧乏くさいし面倒…。それまでざっくり勘定で人生をやり過ごしてきた私、最初は抵抗しかありませんでしたが、背に腹は代えられません。性格柄、手書き管理は続きそうにないので、エクセルで簡単な計算表を自作しました。
節約系YouTuberさんたちのサンプルを参考に、支出の内訳を探っては試しを繰り返し…。現状の収入で暮らしをまわすために辿り着いた収支バランスは、以下のとおり。
貯金(20%)+生活費(80%)=収入(100%)
ギスギスしない程度に生活コストを抑え、毎月の貯金は先取りで淡々と。日常がなにも変わらないように思えても、着実に積み上がっている部分があるというのは、ささやかでも、精神を安定させる要素になるものと実感しています。
家計簿も既に5年目、月々の収支把握もすっかり習慣になり、収入減になった枠で生活は成り立っています。貯蓄は、当初、積立定期にしていましたが、3年前からNISA枠で投信積立にきり替えました。
2:生活費は電子マネーにチャージして、ゲーム感覚でやりくり
家計簿で収支管理をするようになって気づいたのは、上限が把握できていれば、それ以上を抑えようとする気持ちが働くということ。小学校の遠足でおやつ300円までと決められれば、その枠内で好きな菓子を絶妙に調整していく、あれと同じです。
ただ、50代、60代ともなると記憶力も危うく、頭の中だけの把握というのも信用ならずで。そこで、上限金額を1か月ごとに電子マネーにチャージ。食材や生活消耗品は、決められた枠内でまかなうルールにしました。
そうなったら、日常はやりくりゲーム。基本自炊、職場ランチは手づくり弁当、コンビニ常習からも卒業しました。結果、衝動買いも無駄使いも減り、なんなら予算が余る月すら。しかも、とくにきり詰めた生活をしている感じはなく、少々手間はかかるけれど、栄養のある食生活が整い、体調も良好。これは、むしろ豊かなのではと感じています。
それなりの収入があった正社員時代、ストレスフルな仕事を言い訳に、ご褒美浪費をしまくっていました。翌月も同じだけの収入がある、という謎の大丈夫感で、使い捨てのような暮らしを続けていたような気がします。過度な我慢が浪費を生んでいくこと、今の場所からかつてをながめて、見えたことです。
3:ずっと元気を続けるための、ほどほど「健康習慣」
50代後半あたりから、体のパーツのあちらこちらでガタつきが目立ってきました。歯がダメになったり、疲れると湿疹が出たり、先月は白内障の手術を終えたばかりです。
そして、60代の今、切実に思うのは、健康あってこその日常ということ。これからの60代を元気に過ごすためにも、病気にならない習慣は大切だと改めて思います。無理せず、ほどほどに、できることを続けていけたら。