閉経前後に訪れる、心身ともにゆらぐ更年期。対処法を知って、女性ホルモンのアップダウンによる波を上手に乗りこなしましょう。産婦人科専門医の高尾美穂先生、鍼灸院院長の柳本真弓先生、料理研究家の金丸絵里加さんに、更年期の上手な乗りこなし方を教えてもらいました。今回は「イライラ・憂うつ」についてです。
セロトニンの減少が、イライラ・憂うつに影響
すべての画像を見る(全5枚)女性ホルモンのエストロゲンは、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」と連動するため、エストロゲンが減るとセロトニンも不足しがちに。
「また、更年期にはもうひとつの女性ホルモン・プロゲステロンも減少。プロゲステロンには抗不安作用があるので、不足すると不安感を覚えやすくなります。さらに自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位な状態が続くとイライラが増すことも。ただメンタルの不調は環境が大きく影響します。全部が更年期のせいと思わず、自分がリラックスできるものをいくつももっておき、ストレスをためないようにして」(高尾先生)
イライラ、憂うつを感じたときの対処法を3つ紹介します。
更年期と間違えやすい病気
うつ病、双極性障害、神経症、統合失調症などの可能性もあります。精神科・心療内科を受診しましょう。
●1:気の滞りをスムーズにする「太衝(たいしょう)」をほぐして
「怒りの感情が続くと『気』の流れをスムーズにする肝の臓器が弱ります。太衝を押して痛いならストレスがたまっているサイン」(柳本さん)。
太衝のほぐし方
(1) 足指の第一関節を床につけて内側に曲げ、太衝の部分が伸びるよう左右10秒ストレッチ。
(2) 足の親指と人さし指の骨が交わるところ。コリコリとして痛みを感じる部分を親指の腹でもみほぐす。左右同様に。