家賃の安さから住まいの選択肢として注目されている「団地」。ここでは、実際に住んでいる方が感じるメリット・デメリットについて紹介します。築40年近い団地にアラフォーで夫婦ふたり暮らしを楽しむ松尾千尋さんは、マンションやアパートでの暮らしを経て、今住んでいる団地が「これまででいちばん好きな家」と感じているそう。「レトロなたたずまいや風とおしのよさが心地いい」と話す松尾さんに、団地の魅力と不便を楽しむ工夫をお聞きしました。
すべての画像を見る(全5枚)ほどよい広さと、在宅ワークにもぴったりな間取り
私が住んでいる団地は、築年数40年ほど、鉄筋コンクリート造りの2DKです。今年の5月で、住み始めて丸一年になります。
物件探しの条件は、夫婦ふたりとも在宅ワーク中心の働き方なので「個室が2つあること」。一方で、広いリビングはそれほど必要ではなく、コンパクトなダイニングがあれば十分。これらの希望がかなう間取りが、古い団地によくある「2DK」でした。
トイレや洗面所などの水まわりが最低限の大きさである分、居室の面積が広くとられているのも気に入っています。
家賃以外のコスパのよさ
団地暮らしの魅力の1つは、コスパのよさ。
わが家は賃貸の物件ですが、礼金や仲介手数料がかからず、入居時の初期費用をぐっと抑えることができました。また、家賃が手頃というだけではなく、更新料がないことも長く住むうえでメリットです。
そして、地味に節約に効いているのが、都市ガスの物件であること。私の地域で調べてみると、プロパンガスのガス代は、都市ガスと比べて1.7倍から1.8倍ほどでした。
団地は都市ガスを採用している物件が多いので、生活コストが抑えやすいと感じます。
日々の癒やしになる豊かな自然
団地は、敷地内に自然が多いのも魅力の1つ。緑豊かなながめを窓から楽しむことができます。
私の物件は北と南に窓があるので、窓をあければ風が吹き抜け、抜群の開放感。室内にいながらテラスのような気分が味わえます。
春にはウグイスの声が聞こえるなど、自然の気配を感じる暮らしがとても心地よく感じられます。夏は、5分ほど歩けば蛍が見られることも。