今年、ESSEは創刊40周年! それを記念して、ESSEonlineではESSEの歴代編集長にインタビューしました。ESSEの歴史とともに、当時の主婦のトレンドや家事の傾向、人気の料理研究家や家事アドバイザーなどについて振り返ります。

ESSE40周年!歴代編集長インタビュー記事まとめ

ここでは、第1回~第4回の歴代編集長インタビューをまとめてご紹介します。

●第1回:清水伸宏さん 2008年はブロガー料理家が一大ブームに

話す男性
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第1回目は、2007年3月号~2009年6月号を編集長としてまとめた清水伸宏さん。長年ESSEの副編集長を務めたのち、編集長に就任。

 

当時のESSE読者の8割は専業主婦。2007年にアメリカのアップル社で「iPhone」が発売されましたが、日本には未上陸。レシピや家事など生活回りのことはもちろん、お店や旅の情報を探すのも、まだまだ雑誌を頼りにする時代でした。

 

「この頃人気があった企画のひとつがお取り寄せ。毎年年末には人気タレントさんや料理家さんたちおすすめの全国のおいしいもの情報を掲載していました。お店のホームページのアドレスも掲載しましたが、主な手段は電話やファックス。編集部からも、電話やファックスで取材依頼をしたり、確認を取ったりしていましたね。今ではお取り寄せはネットで検索するのが普通だから、雑誌では特集されなくなりました」

 

とはいえ、パソコンでインターネットを利用する人も増え、カリスマ主婦やブロガーさんが注目を集めるようになった時代でもあります。

ESSEでは、主婦向けの雑誌の中でもいち早く、人気料理ブロガーさんの特集を組みました。

2008年6月号「人気ブログ料理家のベストレシピBOOK」
2008年6月号「人気ブログ料理家のベストレシピBOOK」

「2008年6月号で、『大反響を呼んだ全70品を完全収録! 人気ブログ料理家のベストレシピBOOK』という別冊付録をつけました。人気ブロガーのこうちゃん、YOMEちゃん、SHIORIさん、ヤミーさんが登場し、大人気の企画に。

これまで、料理特集といえばプロの料理研究家がレシピを考えるのが一般的でしたが、彼らはより読者に近い目線で料理を提案し、ブログを通じてコミュニケーションもとれる存在。今のツイッターやYouTube、インスタグラムなどのインフルエンサーの走りとも言えると思います」

●第2回:小林孝延さん 暮らしのシーンが見えるような雑誌にしたい

手を前に出す男性

小林編集長は、2003年に別の出版社でナチュラルライフを志向する女性誌「天然生活」(現在は扶桑社より刊行)を創刊した経験などから、前任の清水伸宏編集長がスカウト。

 

これまでまったく別の媒体で仕事をしていた人が編集長になることで、「ESSE」を時代にふさわしく、リニューアルするというのが、大きなテーマでもありました。

「ケンタロウの手間なしおかず」
2011年6月号「ケンタロウの手間なしおかず」。おしゃれな誌面です

「表紙のデザイナーとカメラマンを代え、中のページもアートディレクターの監修のもとに統一感を意識しました。表紙には、ともさかりえさん、麻生久美子さん、松たか子さん、藤原紀香さんなど、女優さんを積極的に起用するように。渡辺満里奈さんも、初めてESSEの表紙に登場していただきました」

収納やインテリアなど、読者や暮らしの達人たちの家の中の様子を見せる特集が多かったも、このころのESSEの特徴です。

「暮らしのシーンが見えるような雑誌にしたいというのが軸にありました。人の暮らし方は住まいに現れると考えていて、実用誌であるESSEの場合、収納という切り口がいちばんなじみがあると思ったのです。そうした観点から収納&インテリアグランプリをスタートさせ、収納の実用的なアイデアを持ちながら、すてきに暮らす人たちを特集しました」