●器に興味を持ち始めて、料理がさらに楽しくなりました

じつは器が大好きすぎて、集めた器をインスタグラムに載せたいから料理の写真を投稿し始めたくらい。服にしか興味がなかった過去の自分が信じられないほどたくさん持っています。

産地やブランドに詳しくはないけれど、インスタグラムで「いいな」と思ったものを調べてたくさん買っています。オンラインの陶器市にアクセスして販売開始時間前からスタンバイしたことも。

かつて真っ白なお皿しか持っていなかった私にとって、作家さんのお皿が家にあるというのは誇り! どの器に盛ろうかな~と思うとワクワクするし、組み合わせを考えていると飽きません。食べ進めていくとお皿の全貌が見えてくるあの感覚! 食べ終わっても楽しいんです。

青いお皿は差し色どころじゃない、こんなにいい役を演じてくれるんだということを最近知りました。青の懐の深さといったらありません。

豆皿は食卓のアクセサリー。小皿じゃ大きすぎて存在感が高すぎるというときに活躍してくれています。ぐい呑みやおちょこも、器として使っているすてきな投稿を見つけて気になっています。

食卓と滝沢カレンさん
すべての画像を見る(全10枚)

器たちは、きらいな後片づけの気持ちも少しラクにしてくれています。料理は好きだけどお皿洗いや片づけは楽しい頭になりません。そこに感情はなく、「無」の気持ちでやっています。お皿には、自分で棚に帰ってくれよ! と思ったりもします。でも作家さんの器は大切な1枚だからこそ、今日のうちにきちんと片づけよう、割らないように丁寧に洗おうと思えるんです。

そういう大切な器は、自分だけで使って幸せを噛み締めます。おもてなしには10枚セットの安いお皿でじゅうぶん(笑)。みんなで食べるときは食器より料理の味を楽しみたいです。

●料理は入り口で「褒められた」「成功した!」と思えたらやりたくなるかも

私はたまたま料理が好きになれて、苦にならないタイプ。そのことにすごく感謝していますが、苦手な人もいますよね。何事も、入口ってすごく大事です。なにかに挑戦したときに人からものすごく褒められたら、それはもう楽しくなっちゃう。でも怒られたり失敗したりすると、もうやりたくないなと思います。

食材を箸で持つ女性
インスタライブより

私の料理の入り口は、コンビニで買ったパスタのレトルトミートソースとスパゲッティ(乾麺)でした。当たり前だけど、それがおいしくできたんです。お湯を沸かして乾麺を茹でて、成功した! だれかがつくったパスタソースだけど、これは自分の味だって自信を持てたんです。私にとって、入り口で成功体験を得られたことはとてもラッキーでした。あのときミートソース用のひき肉を買うところから始めていたら、もしかすると私は料理がきらいになっていたかもしれません。

なにかを切ったり、お皿に盛るだけでもいい。家にあるものをたすだけでも、その料理は自分の作品になります。ご飯にふりかけをかけるだけでもいいんです。褒めてもらえればうれしくなるし、だれも褒めてくれなくても「おいしい!」と自分が思えばそれは自分に対する褒め言葉です。

●料理はしてもしなくても、どっちだっていい!

呼吸することに比べたら、料理はしてもしなくてもどっちでもいいですよね。料理はやらなくたって死にません。食べるものはなにかしらあります。料理は気が向いたときに、ラクなことから始める。だから、「料理してください」なんてことは私には言えません。入り口で楽しいと思っても、その先いろいろな壁や山があるかもしれない。乗り越えたくなければ乗り越えなくてもいいんです。料理に関しては自由!

女性

もし、家族のために毎日料理することがイヤになってしまったら、やめたっていいと思います。私は今そんな状況にはないけれど、もし余裕がなくなったら子どもに外のごはんを食べさせることだってきっとあるでしょう。家族に栄養のあるものを食べてもらうことは大事だけれど、余裕をなくして自分が台所をきらいになってしまうことが一番いやです。

料理が面倒くさくなったら休んでもいい。旦那さんがやったっていい。家族で料理をつくってみんなで毎日楽しく過ごすのが私の夢です。

幸い今の私にとって料理は楽しいものだし、仲間。料理があるから楽しく1日を終えることができています。この世に料理があってよかった! と思っています。

【滝沢カレンさん】

1992年東京生まれ。2008年、モデルデビュー。現在は、モデル以外にもMC、女優と幅広く活躍。主なレギュラー出演番組に『全力! 脱力タイムズ』(フジテレビ)、『沸騰ワード10』(日本テレビ)など。11月には出演する「土竜の唄 FINAL」の公開も控えている。初めての料理本『

カレンの台所

』(サンクチュアリ・パブリッシング)が、レシピ本大賞、料理部門の大賞を受賞。