幼少期から苦労続きだった「夏目漱石」
すべての画像を見る(全4枚)数々の名作を世に送り出した文豪・夏目漱石。彼のも人生のなかで、さまざまな悩みや苦しみを抱えていました。
●生まれてすぐ「いらない子」だった!?
『坊ちゃん』『吾輩は猫である』『こころ』などの作品で知られる夏目漱石は、8人兄弟の末っ子として生まれ、生後すぐによその家へと里子に出されてしまいます。理由のひとつは「すでに夏目家には子どもが多すぎたから」。
しかも一度は実家に戻されたものの、今度は別の家にまた養子に出され、ようやく実家に帰ってきたのは9歳の頃。
小さい頃からいろいろな家を転々としてきたがゆえに、もしかしたら漱石は「自分の居場所ってどこにあるのだろう」と考え続けていたかもしれません。
●ひとりぼっちのロンドン生活
大人になった漱石は、国の命令でイギリスに留学することに。エリート街道まっしぐらな大抜てきですが、実態はかなりハードでした。
言葉も文化も違う異国の地で、友達もできません。安い下宿の部屋にこもって、ひたすら本を読むだけの毎日。やがて孤独と不安がふくらみ、心も体もボロボロになってしまったそうです。エリート留学の裏には、想像以上の孤独があったのです。
●帰国しても続いた苦しみ
日本に帰ってきても、漱石の苦労は終わりません。留学中のストレスから、神経衰弱という心の病に悩まされることになります。大学で教えながら小説を書いていましたが、体調を崩して仕事を休むこともありました。さらに胃の病気にも苦しめられ、何度も入退院を繰り返します。
漱石の作品には、「人はなぜ孤独なのか」「他人とわかり合うことはできるのか」というテーマがたびたび登場します。これはきっと、漱石自身が「自分の居場所はどこだろう」という思いを抱えながら生きてきたからでしょう。居場所のなさ、孤独、病気。苦しい経験があったからこそ、『こころ』のような名作が生まれたのです。
教科書でもおなじみの作品『こころ』
教科書でもおなじみの、夏目漱石の代表作『こころ』。「私」と「先生」の交流を軸に、先生が長い間抱えてきた過去と秘密が明らかになっていきます。
『こころ』のあらすじを、イラストと一緒にご紹介します。
人を信じることの難しさや、友情、恋、嫉妬、そして罪悪感など、だれもがもちうる複雑な感情を丁寧に描いた作品です。
100年以上前に書かれた小説でありながら、登場人物たちの悩みや心の揺れには、今を生きる私たちにも通じるものがあります。彼らがなぜそのような行動をとったのか、心の動きにも注目しながら読んでみてください。
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