自由気ままなひとり暮らしでも、ふと寂しさやモヤモヤを感じることも。成人した3人の子をもち、現在は富山県で暮らす著述家の中道あんさん(60代)は、自分らしさを大切にした家事の工夫を取り入れることで、暮らしも心も軽やかになったそう。今回、中道さんがやってよかった家事の工夫をつづります。

犬の散歩をする中道あんさん
著述家の中道あんさん(60代)
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60代ひとり暮らし、ふとした寂しさの正体

秋の夕暮れ、ご近所で開催されたローカルイベントに出かけました。ビアガーデンに地元グルメのフードトラック、ジャズの生演奏が流れるすてきな大人の空間です。

普段から「おひとりさま行動」には慣れている私ですが、ふと周りを見渡すと、楽しそうに笑い合う家族や友人同士のグループばかり。夜という時間帯も手伝ってか、急に胸の奥がキュッと寂しくなり、わずか30分ほどで帰宅してしまいました。

「ひとりが好きといっているけれど、ずっとひとりでいたいわけじゃないんだ」

60代になって、そんな当たり前の本音に今さらながら気づかされました。

そう考えると、ひとり暮らしには少し広すぎるわが家に「ゲストルーム」をつくった理由も納得がいきます。ひとりの気楽さを愛しながらも、気の合う人と空間や時間を分かち合いたいという気持ちも、ちゃんと自分の中にあったのです。

「ひとりが好きだから寂しさを感じるはずがない」と決めつけず、揺れる自分の気持ちを素直に受け止めることが大切だと気づきました。

「自分らしさ」で幸福度を上げる、暮らしの工夫3つ

食器棚

ひとり暮らしを始めてから、もうひとつ強く自覚したことがあります。それは、自分が「もっているものが使われずに遊んでいる状態」が苦手だということです。

お金や空間だけでなく、時間や体力、食材も同じ。「もったいないから捨てられない」のではなく、「使わないものが場所や時間を占領しているほうがもったいない」と感じるタイプでした。ゲストルームも、あき部屋のまま放置せず、だれかを迎える場として生かしたいという思いの表れです。

日々の暮らしでも、その合理的な工夫を重ねています。

●工夫1:電気代も時間も生かす「夜家事」

移住して、夜間の電気代がおトクなプランに変わったのを機に、朝にしていた家事を夜にシフト。すると、電気代だけでなく、朝の時間にもゆとりができるように。

1日のうちでいちばん元気な時間を、仕事ややりたいことに集中できるようになりました。

●工夫2:待ち時間をムダにしない「スキマ家事」

朝晩、シートマスクをする習慣があるのですが、朝はシートマスクをしている間にヨガをし、夜はその間にベッドを整えるなど、シートマスクをはっている5分、10分も、同じくらいの時間で終わることと組み合わせています。

●工夫3:家事の同時進行

キッチンに立っている間は動画を見たり、同じ食材を使って2種類のメニューを同時につくったりと、家事の同時進行をしています。

「じっと待つのが苦手」「フル活用したい」という自分の気質を肯定し、無理にスローライフを目指すのではなく、自分に合ったテンポで動くことで暮らしの満足度がぐっと上がりました。