オンラインでサポートを行うおうち片付け専門家の香村薫さん。これまで5600人を超える家を片付けてきた香村さんが提倡する「書き出す片付け」メソッドは、片付けが苦手な人やリバウンドをくり返す人にこそぴったりです。今回は、このメソッドに挑戦し、家の中で最もハードルの高かった「納戸収納」を見事に攻略したNさん(夫、次女との3人暮らし)の劇的なビフォーアフターを、3つのステップとともにご紹介します。

足の踏み場もない納戸の片付けビフォーアフター
足の踏み場もない納戸の片付けビフォーアフター
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長年の困りごとだった「納戸の収納」を解決

Nさん宅で、気になりながらも扉を閉めることすらできない状態のまま放置していたという納戸収納。長年の悩みであった「魔の納戸」を「納めやすく取り出しやすい納戸」に劇的に変えることができました。どうやって攻略したのでしょうか?

答えはシンプル。「書き出す」ことだけです。特別な道具も、新しい収納グッズもいっさい不要。Nさんが実践した3つのステップを、順を追って見ていきましょう。

●ステップ1:ゴールを決める/どうなったら理想的?

片付けを始めるとき、最初にすべきことは「なぜそこを片付けたいのか?」という現状の不満を洗い出すこと。そして「どうなったら理想的か」というゴールを決めることです。

家じゅうの「とりあえず」が集まりがちな納戸は、油断するとすぐにものであふれかえってしまいます。Nさんも、見るだけでゾッとするほどの状態だった納戸に頭を悩ませていました。

そんなNさんが、この場所をどうしても片付けたかった理由は以下の3つです。

・ものが多すぎて、どこになにが入っているかまったくわからない
・奥のものを取り出すのにひと苦労する
・床がもので見えなくなり、扉が何年も閉まられないのがストレス

扉すら閉まらなくなってしまった「魔の納戸」。なにをどれだけもっているかが把握できないため、また買って、とりあえずつめ込み、奥のものがブラックボックス化する…という悪循環に陥っていました。

そんなNさんが設定した理想のゴールは、とても明確でした。

・何十年も閉まらなかった納戸の扉をピシッと閉めること
・奥まで歩いて通れるように、通路(余白)を確保すること
・必要なものをすぐに、ストレスなく取り出せる仕組みをつくること

「絶対に片付けたい!」という強い決意を胸に、Nさんは次のステップへと進みました。

●ステップ2:計画と工夫/完璧でなくてOK!書き出しながら考える

ゴールが決まったら、次は「計画」のステップです。通常「書き出す片付け」では、以下の順序で進めます。

(1) 理想の状態をイメージ
(2) もっているものをすべて書き出す
(3) 配置図を描く
(4) 実際に手を動かす

しかし、物量が多く、なにが入っているかわからない納戸のような場所では、最初に完璧な配置図を描くのが難しいこともあります。

書き出しリスト
把握できているものについてすべて書き出したあとで、そのほかのものは納戸から出した際に追加

そこでNさんは、「最初に思いきって全部出し、分類分けをしながら“いるもの・いらないもの”を見極めていく」という実践的なアプローチを取りました。

なお、このとき、思い出の品が出てくるとどうしても手が止まってしまいがちです。しかし、Nさんは、お子さんたちの賞状や卒業証書、かわいい手紙、さらには自分たちの学生時代の写真などが出てくると、それを「進まない焦り」にするのではなく、ご主人と一緒に「楽しむ宝物の時間」に変えました。夫婦で対話しながら楽しく進めることで、片付けそのものがやりがいのあるイベントになりました。

そうやって、夫婦でいろんな時間を共有しながら、ご主人と一緒に試行錯誤し、最終的な「配置図」を作成したのです。

配置図
使用頻度を考え、取り出す手間が最小限になるように考えられた納戸の配置図

Nさんが配置図の中で工夫したのは以下の3点です。

1:家にある収納グッズを活用

新たに収納ケースなどを買いたすのではなく、今家にある収納グッズを徹底的に活用しました。

2:「余白」を確保

つめ込みすぎず、あえて少し「空間の余裕(余白)」を残すことで、出し入れのしやすさを実現しました。

3:使用頻度を意識

入り口から近い場所には、普段から頻繁に使用するものを分類ごとに分けて配置。また、奥には使用頻度の低いもの、手前にはよく使うものを置くことで、取り出す際の手間を最小限に抑えました。