「人間より、サメを見分ける方が得意に」
すべての画像を見る(全7枚)サメの研究・繁殖に長年携わる徳永さん。現在水族館でどのようなお仕事をされているのでしょうか。
徳永:大学で水産学を学び、生き物に関わる仕事をしたいと考えていたところ、アクアワールド・大洗に縁があって飼育員になりました。10年ほど前にサメの主担当になって、今はシロワニを中心としたサメ全体の繁殖研究・調査をしています。小笠原諸島での野生のシロワニの調査もそのひとつ。そこから得られた情報を飼育や展示に生かす流れをつくるのが今の目標です。
――小笠原での調査では、具体的にどのようなことをされているのですか。
徳永:シロワニは1頭ずつ体の模様が違うので、写真や映像を撮り続けることで個体を見分けられます。そうして記録を積み重ねれば、小笠原に何頭いるのかや、どんなふうに移動しているのかがわかり、保全にも役立つんです。
徳永:それはもう、再会できたら感動します。同じ場所で見つかることもあれば、違う場所にいることもあり、移動の傾向もわかってくるんです。ただ、生まれたての個体にはまだ出合えていません。どこかで繁殖しているはずですが、その場所はいまだ謎のままです。ちなみにサメばかり見ているせいか、人間よりサメを見分ける方が得意になってしまって(笑)。人の名前や顔は覚えるのが苦手なのに、サメは目だけで、どの個体かわかることもあります。
こた:アクアワールドさんではシロワニの水槽の横に個体識別のガイドが出ていて、それぞれの特徴を案内されていますよね。とてもすてきな展示だと思います。
徳永:ありがとうございます。1頭1頭の特徴を見ながら、探す楽しさを味わってもらえたらと思って始めました。
得意なことを極めたら、サメや水族館と仕事ができた
一方、現在絵本作家として活躍しているこたさんは、どのような経緯で絵本作家としてお仕事を始めたのでしょうか。
こた:小学校低学年まで、将来の夢は水族館の飼育員でした。毎年の「将来の夢」にそう書いていましたね。ただ、鉄道や地理など興味がたくさんあるなかで、いちばん得意だった絵の道に進もうと美術大学を目指しました。しかし今回書籍の『サメくらべ図鑑』に携われて、サメとも、水族館さんとも仕事ができている。結果的には夢につながっているのかなと感じています。もしできることなら、徳永さんのようにサメの飼育員になるのがいちばん理想に近かったかもしれません。
対談インタビューの後編では、『サメくらべ図鑑』(こた著/アクアワールド・大洗監修・扶桑社刊)の制作秘話や監修エピソードなど、さらに深い話をお届けします。


