GWなどの長期休暇のあとは不登校になる子どもが増える傾向に。「メンタルを安定させるためにもタンパク質をしっかり摂ってほしい」と語るのは起立性調節障害(OD)を専門とする小児科医で、Health&Cureクリニック赤坂の院長、山口里恵先生。今回、「五月病」のような不調が増えるメカニズムと、3児の母でもある山口先生おすすめの、簡単にタンパク質が摂れる朝食について、詳しく教えてもらいました。

起きられない子ども
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メンタルの不調を跳ね返してくれる栄養素「タンパク質」

GW明けから初夏にかけて、頭痛やだるさ、朝起きられないといった「五月病」のような不調が増える背景について、山口先生は「セロトニンという脳内の神経伝達物質の不足が関係していることが多い」と語ります。

「セロトニンとは、幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質です。セロトニンが満ちていないとストレスに弱くなってしまいます。少しのストレスも大きなストレスに感じやすくなるのです」(山口先生、以下同)

●セロトニンの原料になっている「タンパク質」

体にセロトニンを満たす上で重要なのが、「タンパク質をしっかり摂ること」と話す山口先生。

「タンパク質は、皮膚や髪など、身体の大部分の細胞を構成する主要な材料になる栄養素です。そして、生命維持に必要な酵素やホルモン、免疫物質の原料ともなり、セロトニンの材料としても不可欠。成長期の子どもは体の発育にタンパク質が多く使われるため、意識してしっかり摂取する必要があります」

小学校高学年頃は、急激な体の成長と思春期が重なる非常にデリケートな時期。思春期に心が不安定になりやすい一因として、タンパク質不足が挙げられるそう。

「幼児期や思春期の子どもは体を大きく成長させるためにタンパク質の需要がとても大きいので、たりなくなると、心を安定させる物質であるセロトニンが十分につくられません。その結果、新学期特有の緊張や不安といったストレスを跳ね返す力が弱まってしまうのです」

家庭で無理なくできるタンパク質摂取のコツ

山口先生によると、タンパク質は「小分けに摂ることがおすすめ」だそう。理由は、一度に吸収できる量が限られているのと、体の中に入ったあとに数時間ですぐ消費されてしまうから。

「タンパク質は、一回に吸収される量が限られているので、出来るかぎりこまめに摂りましょう。おすすめは食事へのちょいたし。ゆで卵や温泉卵をストックしたり、テーブルにおかかやツナ、シラスなどを置いたりして、ご飯や焼きそば、サラダなどの料理に、子どもが自分でたせるようにしてあげられるといいですね」

山口先生によると、卵なら1個で約7g、カツオ節は1パック(5g入りの場合)で約3.2g、ツナ缶(大1缶の場合100g中)には約14.9g、シラスは大さじ1杯で1~2gのタンパク質が含まれているそう。