母亡きあと、90代の父が始めた「意外な行動」

からになった衣装ケース
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2025年、母が亡くなりました。

今まで60年以上連れ添ってきた伴侶を亡くした父の悲しみは、計り知れません。90代になった父の突然のひとり暮らしに、私は心配でたまりませんでした。今までヘルパーさんや訪問看護の方たちが頻繁に出入りしてくださってにぎやかだったのに、本当にだれも来なくなるのですから。

しかし、そんな心配をよそに、父は母の服の整理をすぐに始めたのです。もしかしたら、寂しさよりも、長年の介護生活から解放された気持ちの方が大きかったのかもしれません。

古着を回収してくれる場所へ姉が服を運んだり、譲れそうにないものは潔く処分したりと、母の遺品はあっという間に片付いていきました。

「どうしても捨てられないもの」の手放し方

着物の帯

潔い父ですが、どうしても「もったいなくて捨てられないもの」もあります。

先日実家ですてきな着物の帯を見つけたので「これ、売れるかもよ?」と提案してみました。すると父は「だれでも使ってくれる人がいるなら、タダでもかまへん」と言ったのです。

「捨てる」ことには抵抗があるけれど、「だれかが使ってくれるなら」手放せる。そんな思いを抱える人は多いのではないでしょうか。

父の代わりに、私がフリマアプリで次の方へつなぐことにしました。

父の姿が教えてくれた「未来のための片付け」

リビングでイスに座る男性

そんな父を見て、私自身も「ものへの執着」に気づかされました。

「いつか使うかも」と何年も置いていたものを「今もいらないし、これからもいらない」「もっと軽やかに暮らしたい」と思えるようになったのです。

私にも2人の娘がいますが、元気なうちに身軽になっておこう! と決意しました。

娘たちを困らせたくないという父の言葉は、けっしてうしろ向きな「終活」ではありません。92歳になっても、まだまだ元気に楽しく生きていくための、前向きな「未来」を見据えた行動なのだと感じます。

母の介護で自由がきかなかった分、これからは自分の時間を大切に。「100歳まで元気に生きてね!」そんな願いを込めて、父の片付けに寄り添いたいと思います。