17日が最終回のドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』。脚本家・三谷幸喜さんの経験に基づくオリジナルストーリーで、神木隆之介さんは三谷青年をモチーフにした新人放送作家を演じています。希望に満ちあふれていた1980年代・渋谷をどう生きてきたのか。ドラマの撮影をとおした感想や、主演・菅田将暉さんの印象もおふたりに伺いました。

神木隆之介さん、三谷幸喜さん
神木隆之介さん&三谷幸喜さん

“三谷青年”がモチーフの役柄を熱演

1984年の渋谷を舞台に、くすぶりながらもギラギラした情熱を心に抱き、夢に向かって懸命に生きている人々の姿を描く青春群像劇『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』が、物語が進むにつれ視聴者の視線をくぎづけにしています。

脚本を手がける三谷幸喜さんの青春時代の思い出を題材にした完全オリジナルの本作で、“三谷青年”をモチーフにしたキャラクター・蓬莱(ほうらい)省吾を演じるのが神木隆之介さん。蓬莱はすたれたストリップ劇場の新人放送作家。

三谷さんに、作品に蓬莱を登場させた理由を尋ねると、「僕も20代後半のとき、実際にストリップ劇場でバイトをしていました。ショーとショーとの間にやっていたコントの台本を書いたりしていたんです。そのときの自分を投影させる人物を出すことで、蓬莱の目線からあの時代を描きたいと思いました」と、その狙いを教えてくれました。

「僕は神木さんの印象が180度変わりました」

三谷さんと初タッグを組んだ神木さんは、「オファーを受けたときは、やっぱり緊張しました。三谷さんとご一緒させていただくのは初めてで、どこまで三谷さんの動きや話し方を役に反映させるべきなのか一生懸命考えました。演じるのは蓬莱であって三谷さんではないので、蓬莱として演じるべきだけど、蓬莱のなかに三谷さんの要素は入っている。だからこそ、そこをどういうふうに表現するのかは演じながらでないとわからない部分もありました」と、かなり苦悩した様子。

そんな神木さんに対して、三谷さんは、「僕は神木さんの印象が180度変わりました。会う前は、まじめで好青年というイメージでしたが、実際はとにかく人を笑わせる、喜ばせることに全力を傾ける人。僕が書いたものをこんなに正確に、しかも何倍もおもしろく具現化してくれる俳優さんは初めて。若いのにこんなに力をもった俳優さんがいるのはすごく新鮮だし、びっくりしています」と絶賛。