ボンジュールを大切に
すべての画像を見る(全3枚)「マダム、まずはボンジュールから!」とスーパーの店員さんに注意されたのは、フランスで暮らし始めて間もない頃のこと。今ではすっかり笑い話になりましたが、当時は思わず固まってしまうほど衝撃的でした。
日本の感覚で「すみません」と声をかけたつもりが、フランスでは悪い印象を与えてしまったのです。
ある友人によると、「フランス人にとってあいさつは、相手を1人の人として認め、尊重するサイン」だそう。とくに店員や公的サービスのスタッフとの間では、最初のひと言がその後のやりとりに大きな影響を与えることがあります。言い方を変えれば、丁寧なあいさつをすれば、自然と笑顔で対応してくれるのです。
こうした現地の習慣を知ることで、旅や生活がもっと楽しく、心地よくなるはずですよ。
「ごめんね」より「ありがとう」
フランス人は「ごめんね」よりも「ありがとう」をよく使います。
たとえば、ドアを開けてもらったり、席を譲ってもらったりと、ほんの些細な親切にも「Merci!(メルシー!)」と自然に返します(もちろん笑顔で!)。
そんな環境のなか、私は今でも家族に素っ気ない態度をとってしまうことがあります。いちばん近くにいる夫や子どもたちにこそ感謝を伝えたいと思い、日頃から意識しているのが「〇〇してくれてありがとう」と具体的に伝えること。その方が、相手に気持ちがはっきり届く気がします。
さらに、「助かった、ありがとう!」と自分の気持ちも添えることで、言葉がより温かく響くように感じます。
「ありがとう」は小さな幸せを増やす魔法の言葉。前向きな気持ちで関係を築くためにも、日々の暮らしでたくさん使っていきたいですね。
『フランス人はママを理由に諦めない』(扶桑社刊)では、このほかにもロッコさんやフランス人の「頑張りすぎないちょうどいい暮らし」を、フランスでの撮り下ろし写真とともに紹介しています。ぜひチェックしてくださいね。


