「引き取り」をお願いされた品は…
また、依頼主から「引き取りをお願いしたい」と要望があった品は、日本国内で需要が少ないものでも、海外での再利用やオークションなど適切な流通に回すケースがあるそうです。これにより、処分費用の軽減やリユースにつながることも。値段がついた場合は、その分を遺品整理料金から差し引く場合もあるとのこと。
●古銭や切手、食器など
ただし、すべてが売れるわけではありません。では、どんなものに高値がつくのでしょうか?
「高値がつく可能性があるのは、古銭や切手のような収集マニアの市場があるもの。意外に売れるのは、ブランドものや作家ものの食器ですね。状態のいいティーカップやお皿などは、一度リサイクルショップに持ち込んでみるのもいいと思います」
●ブランドバッグや服など
反対に、売れないものは流行に左右されるものなど。
「人によって大事なものは違いますよね。たとえば、推し活のうちわや、古い車のパンフレットは、故人にとって宝物だったとしても、残念ながら売れるものではない場合もあります。ほかにも、ブランドバッグや服なども流行に左右されるため、元値が高価だとしても、たとえばミンクのコートは、今の時代には需要があまりないんです」
高価な洋服などの場合、つい「もったいない」と手放すことを悩んでしまうこともありますよね。その場合は、一度袖を通してみて客観的に判断するのもひとつの方法です。
●捨てるのが大変なもの
一方、処分費用が高くなりがちなものとして挙げられるのは、家電やマットレスといったアイテム。
「家電は自治体の処分料金がかかりますし、マットレスは、不燃と可燃の部分が混在しているため、解体費用が発生します。とはいえ、これらの処分を自分でやろうとすると大変な労力がかかります。だからこそ業者に依頼する価値があるとも言えますね」
業者に頼む前にお願いしたいことは…
また、遺品整理を進めるうえで、石田さんがもっとも依頼者に事前に行ってほしいこととして「仏壇の魂抜き」を挙げています。
「仏壇は魂抜きがしてあれば、家具として扱うことができます。もちろん、魂抜きがされていなくても処分はできるのですが…。やはり故人の魂を傷つける可能性があります。故人のためにも、片付けを依頼される前に事前にすませていただきたいですね」
魂抜きにかかる費用は発生しますが、事前にお寺に依頼しておくことで、遺品整理をより心安らかに進めることができるのかもしれません。もし、故人のものをどう整理するか迷っている場合には、こうしたポイントを参考にして専門業者に相談してみるのも一手です。
そんな石田さんが携わった「遺品整理」体験をマンガ化。ぜひチェックしてみてください。