金融機関で働いた経験をもつ、整理収納アドバイザーの原田さよさん(現在60代)は、50代になって書類や通帳、金融機関の口座を少しずつ整理してきたそうです。ここでは、実際に体験してわかった「通帳や口座を減らすことのメリット」などについて語ります。

通帳
通帳や取引口座を整理してよかったこととは?
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50代から「口座・通帳」の整理を本格的に開始

グリーン

実家や義実家の状態を見て、親の「老い」を感じる瞬間がありました。たとえば、宅配の荷物が届いたまま放置されていたり、テーブルや棚に郵便物が山積みになっていたり…。

今では私が、子どもにそう思われる年齢になってきましたが、幸いにも書類や金融機関の整理はその都度やってきたおかげで、年齢を重ねても気持ちにゆとりがあります。

なかでも、やってきてよかったと思うのが、ネットバンクやネット証券への移行と、それに伴う取引口座の整理です。数が減れば管理がラクというのは、ものだけではありませんね。

私は金融機関で働いていたこともあり、目的別に複数の積み立て口座をつくっていました。結婚して住む場所が変わってからは、その地元の金融機関とのおつき合いも始まったり、子どもの誕生に合わせ別の積み立ても始めたりしたため、口座は増える一方。

これでは管理が大変…と思い始めたのは、50代に入ってから。そこから少しずつ口座を整理し、数を絞っていったところ、管理がラクになりました。

取引する金融機関を減らしてわかったこと

ノートと電卓

取引する金融機関を減らしたことで、以下のメリットを感じました。

●1:口座の管理がラクになる

取引する金融機関を減らし、数を絞るようにすると、口座の管理がラクになります。通帳の記帳や残高の確認など、ちょっとした手間が減るだけでも、日々の負担が軽くなりました。

●2:家計管理がラクになる

また、振込先や引き落とし口座が分散しているよりも、できるだけ口座を絞ったほうが家計の管理もラクでした。口座を集約することで、お金の流れがひと目でわかるようになり、見とおしもよくなったと感じます。

●3:自分が高齢になったとき、子どもが管理しやすい

私や夫がもっと高齢になり、急な入院や介護が必要になったときに、子どもたちが手続きを行う際にスムーズになるように…ということも考えて、通帳や銀行口座を整理しました。

ちなみに、私の父は70歳を過ぎてすぐに病気がわかり、あっという間に亡くなってしまいました。そのとき、思っていた以上に多くの金融機関と取り引きしていたことがわかり、手続きに時間がかかってしまいました。自営業をしていたこともあり、必要だったのでしょうが、せめて一覧をまとめておいてくれたら…と思ってしまいました。

そうした経験もあり、わが家では大事な情報の保管場所などを娘に伝えています。実物も見せておきました。