女優・川上麻衣子さんの暮らしのエッセー。一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さん(59歳)が、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地であるスウェーデンのことなどを写真と文章でつづります。今回は、約2年前に白髪染めをやめグレーヘアに移行中の「今の正直な気持ち」を吐露。気分転換に一役買った2000円のアイテムも紹介。また、猛暑に大活躍した浴衣や手ぬぐいの魅力を語ります。
すべての画像を見る(全7枚)フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと
気分が上がったり下がったり、グレーヘア移行中の正直な気持ち
23年10月頃から漠然と始めた「グレーヘアに転向」は、思った以上に皆様からの反響があり、同世代にとって切実な話題の一つであることがよくわかります。
「染めることはいつでもできる」のだから、まずは現状の自分を知ってみたい。そんな気持ちだったのですが、鏡に映る自分を見て思うことは日々微妙に違います。
意外とイケてるな! と思うこともあれば、直視したくない老いを見つけて落ち込むこともあります。
とくに最近落ち込むきっかけになったのは、新調したメガネ。
もともとは視力がよったためか老眼の始まるのも早かったのですが、どういうわけか、最近急激に視力が落ち始めたのです。それと反比例するかのように、老眼は以前よりも軽くなったような感じがありました。
よく見えるメガネで見て愕然!白髪のリアル
老眼鏡以外はメガネを必要としてこなかったのですが、先日時間に余裕ができた際にカジュアルなメガネ店で視力検査を兼ねてメガネを新調しました。
メガネがなくても特別不自由は感じていなかったのですが実際、新しいメガネをかけてみるとパーっと世界が開けたように明るく、遠くまですっきり見えることに感動。そのままなんの意識もせずに鏡の前に立ち、しばし愕然としました。
「えっ!? 私ってこんなことになってたんだ」
それが、白髪やグレーヘアの現状に対する、正直な印象でした。
2000円のつけ毛が大好評。「ぼやけた髪色」に遊び心をプラス
まぁそんなことが繰り返される毎日なわけですが、最近グレーヘアの中途半端な髪での遊びを1つ見つけ、これがなかなかに好評なのでちょっとご紹介します。
手に入れたのは2000円弱で購入できる、若者がファッションとして利用しているような簡単なウィッグです。
ウィッグというよりはホックで簡易的にとめられるつけ毛。赤や青の華やかな色が数多く並んでいるなか、いつもなら自分には無縁のものとして見過ごしてしまうところなのですが…ふとそこに紛れていた白色に手を伸ばしました。
お店の方に試着をすすめられるままに、遊び半分で装着してみると意外にも、グレーヘアにとても自然になじんだのです。
最初は照れくさくもありましたが、会う人ごとに「かっこいいですね!」とほめられ、「じは付け毛なのですよ」と告白したときの「えーっ! 全然わからなかったです」という反応に気をよくして、最近はわりと頻繁に利用しています。