60代で北海道を離れ、東京でひとり暮らしを始めたハナ子さん。52歳で離婚しシングルに戻ってから、実家や思い出の品、安定した仕事などを片付け、手放したそう。ここでは、ハナ子さんの暮らしと衣類のこだわりについてご紹介します。(撮影:林ひろし)

※ この記事は『60代、ひとり暮らしのはじめかた ぜんぶ捨てて、人生後半が輝きだした』(KADOKAWA刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

ハナ子さん
お気に入りのハーブティーをいれるハナ子さん。60歳を過ぎて、東京でひとり暮らしをスタートしました
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服は肌ざわりと着心地がよいことが大事

ハナ子さんクローゼット
アウターは4 シーズンでこれだけ。クローゼットの中の桐のタンスには、母が集めた着物が入っています。ものがいいだけにタンスも着物もなかなか処分できないのが悩みの種

私はアパレルで2年間、働いていた経験があります。ですから「これは高見えする」とか「これはすぐ伸びてしまう」といった、服の目利きには少し自信があるつもりです。そんな私のファッションに対する第一のこだわりは、「身につけていて心地よいかどうか」。

素材がチクチクしたり、パーツが肌に当たったりするものは、どんなにすてきなデザインでも買いません。結局着なくなって「タンスの肥やし」になってしまうからです。

そんなわけで、私はネット通販よりも実店舗派。実際試着して、肌ざわりを確かめてから、購入するかどうか判断するタイプです。

足が痛くならない、歩きやすい靴だけもつ

ハナ子さん衣装ケース
かさばる冬物のセーター類も、引き出しひとつに収まります

東京へ来るにあたっては、服はかなり整理してきました。

靴も、今もっているのは6足のみ。歩きやすいスニーカーが中心で、あとはお出かけ用のフラットシューズ、冬用のブーツ、雨の日のレインブーツと、実際によく履いているものばかりです。

以前は、華奢なハイヒールも一応もっていました。ピアノが好きな私は、レストランでのコンサートディナーによく出かけていたので、ドレスコードの一足が必要だったのです。長く歩くとものすごく疲れるので、お店の前まではスニーカーで行って、店に入ってから履き替えて…という手間をかけても、当時はおしゃれをしていました。

でも、東京へ引っ越すときに「足が痛いハイヒールは必要ない」と、思いきって手放しました。