●自分自身に「お疲れさま」と言ってあげる
すべての画像を見る(全5枚)――ご自身の生活で大切にされていることや、さまざまな活動をされるうえでの原動力はどこからでてくるのでしょうか?
サヘル:毎日、お母さんの目を見て、「おはよう」「ただいま」ということを大切にしています。あとは、日常を噛みしめるということと、自分に「お疲れさま」って言ってあげること。負けず嫌いだし、自分に厳しいタイプなので、定期的にそう言って自分との対話を大事にしたいですね。
私の原動力は、向き合っている人たちの存在ですね。出会ってきた人たちが羽ばたいていったり、笑顔になるのを見たい。出会った人の夢を応援することが生きがいなんです。だから1人になったら原動力は生まれてこないと思います。
親だって原動力は子どもや家庭だし、人って多分無意識に原動力は自分じゃなく、人がいてこそだと思います。
――幅広い活動をされているなかで、これからのご自身の理想や夢はありますか?
サヘル:唯一言えるのが、ロールモデルをたくさんつくっていきたいということです。
今、関わっている施設の子たちや退所した子たちだったり、差別だったりいじめを受けていた子たちにも、こういう生き方があって、ちゃんと自立して生きることができるんだよ、って。
それは自分の背中を見せないとダメですし、常にアクションを起こして、なにか企画を考えて社会を巻き込んでいくことが目標ですかね。
●人を幸せにするためにまずは自分を大切に
――最後にESSEonlineの読者に向けてメッセージをお願いします。
サヘル:すべての人たちに言えるのは、立ち止まることはすてきなことなので、がんばりすぎないでください。ちゃんと自分を愛せていますか、幸せですか、って。
人を幸せにするために、まず自分を大事にしてください。もし生きづらさを抱えていたり、今いる場所に違和感を持ったら、それを変えられるのは自分自身しかいません。
苦しいときにそこに居続けることで、もっとしんどくなるのであれば、変わるという勇気も必要ですし、変わったときは、それが軌道に乗るまで時間はかかります。桜の木だって、立派になるまでには時間がかかる。けれど、自分の信じたものと種まきと、ちゃんと向き合うことを正しく突き進んでいけば、そこに集うものはあります。
いくつになっても、自分がやりたいことを諦める必要はないですし、それが親になったとしても関係ない。人生は一度きりです。後悔はつきものゆえに、後悔の数は減らしてほしいと思います。