実際に更年期の症状を経験して睡眠の大切さを実感

更年期を迎えて、生活のなかでいちばん変化したのは睡眠時間です。更年期を迎える前は、子育てと仕事に向き合うなかで、睡眠時間は少なめだったと思います。

体力があるうちは、そうした生活のペースでも大丈夫でしたが、更年期の不調があらわれてからは、そうわけにもいかなくなり…。睡眠の質も、ある日は、夜中に暑くなって汗びっしょりで目覚め、また別の日には寒くて何枚重ね着をしても寝つけなくなるなど、ぐっすり眠れない日が増えていきました。

●寝室の環境を見直し、家族にも協力してもらうことで体調もラクに

アロマキャンドル
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そこで、それまであと回しにしがちだった「自分の睡眠時間」を、更年期は積極的にとるように心がけ、寝室に好きなラベンダーの香りを広げたり、枕カバーを肌触りのよいものに変えたり、室温をその日の自分の体調に合う温度に合わせるなど、自分に合うぐっすり眠れる工夫を実践するようにしました。

また、疲労感や倦怠感が強い日は、子どもたちが大きくなったこともあり、家族には更年期であることを伝えて協力してもらい、夕飯を食べたら早々にお風呂もすませて、自分ひとり早く眠ることにさせてもらいました。

とはいえ、私の場合は、寝つきはいいのですが、早く寝たものの途中で目が覚めてしまうこともしばしば。夜中に目が覚めて眠れなくなった日は、「今日はもう眠れないな」と割り切って、好きな落語の話を聞いてひと笑いし、気分だけでもリフレッシュするように心がけました。

個人的には、眠れない日が続くと、心身ともに疲労感が増すのですが、家族の理解と協力を得てからは、体力的にずいぶんとラクになりました。更年期は、更年期以降の暮らし方を考えるうえでもよいタイミングです。私の場合は、睡眠の変化で悩んだことが、自分がライフサイクルのなかで更年期を迎えていることを実感させてくれましたし、これからの生活のペースをどうしていきたいかを深く考えるきっかけにもなったと思います。

参考資料: 『中高年女性健康教育マニュアル』小山嵩夫監修(日本家族計画協会刊) 『女性医学ガイドブック・更年期医療編』日本女性医学学会編(金原出版刊) 『更年期医療ガイドブック』日本更年期学会編(金原出版刊) 『心と体の不調をなくす40歳からの女性ホルモンケア』相良洋子監修(家の光協会刊)