体を温めて冷えを解消する「温活」。食事やお風呂でしっかり温まっているつもりの人も、一度やり方を見直すとより効果的な方法に出会えるかもしれません。
体を温める食材や入浴方法について、医師の石原新菜さんと、漢方師の櫻井大典さんに教わりました。

湯たんぽ
寝るときの湯たんぽは温活的に正解
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家に帰ってから眠りにつくまでの効果的な「温活」は?

冬は体の不調を感じやすい季節。体が冷えると血流が悪くなり、肩こりや頭痛、腰痛などの原因になります。いつもだるい、疲れやすい、目の下のクマが消えない、足がむくみやすいなどの不調も要注意!
1日の終わりにしっかりと体を温めて、冬の不調を吹き飛ばしましょう。

●夕食は、香辛料たっぷり!辛いお鍋で温まる→温活チェック△

イラストお鍋とうがらし

・基本は薄味&旬の食材を使うこと

漢方では、旬の食材を温かい汁物にして、しっかり食べるのが養生の基本。旬&地場産の食材は、その時季をその土地で快適に過ごすために、自然が与えてくれたものなのです。

「ポイントは薄味にすること。胃腸が働きやすくなり、食べ物を消化分解してエネルギーや血液に変える力が高まるので、結果的に体が温まります。唐辛子などの香辛料をたまに使うのはいいのですが、体温への影響は微々たるものです」(櫻井先生)

【冷え性の人の体を温める食材】


・肉や魚:牛肉、鶏肉、羊肉、アジ、イワシ、サバ、鮭

・野菜:カボチャ、タマネギ、長ネギ、カブ、シソ、ニンニク、ショウガ

・スパイス:シナモン、コショウ、唐辛子

・そのほか:インゲン、もち米、米麹、日本酒、酢

※とりすぎると、のぼせや肌トラブル、粘膜の炎症の原因にもなるので注意。

●30分の半身浴で体の奥から温まる→温活チェック△

イラスト浴槽とシャワー

・湯船につかって短時間温まるだけでもOK

温活の基本は、シャワーだけでなく湯船につかって入浴すること。ただし、体の芯から温まるのが目的なので、40℃前後のお湯に、プツプツと汗が出てくるまで10~15分入れば十分。
時間がない場合は、バスタブに栓をして、そこでシャワーを浴びるだけでもOKです。

「それでも長めに半身浴をしたい場合は、上半身が冷えないよう、お湯に浸したタオルなどを肩にかけて行いましょう」(石原先生)

【体を温める入浴剤】

イラスト浴槽につかる女性

・炭酸系

炭酸が皮膚から入り、毛細血管を開かせるため、血流がアップ。

・バスソルト

水に溶けた塩がナトリウムイオンとなり、皮脂に付着してベールをつくって温かさを保つ。保温効果を持続させるため、洗い流さずに出て。

●目の上に蒸しタオルをのせて冷え対策→温活チェック〇

イラスト目に蒸しタオル

・目の周りの血行を促してリフレッシュ

クマのおもな原因は、血行不良による冷え。寝る前の蒸しタオルで改善しましょう。

「ゆるめに絞った濡れタオルを、電子レンジで約1分温めます。3分ほど目元にのせると、血流がよくなりますよ」(石原先生)。

日中もデスクワーク中に、1時間に1度はストレッチをする、意識的に目を閉じるなどで血流を促すと◎。また、漢方では、「腎」(体のエネルギーをつくる機能)の衰えも、クマの原因とされます。

「黒豆や黒ゴマ、黒キクラゲ、ヤマイモ、トマト、鮭など、腎の働きを補う食材も、食事に取り入れてみましょう」(櫻井先生)

●湯たんぽを布団に入れて眠る→温活チェック〇

イラスト湯たんぽにお湯

・おなかの横と足回りに入れて

小さめの湯たんぽを、おなかの横と足回りに。

「電気あんかは静電気が強く、熱くなりすぎることもあるので、自然なぬくもりのお湯を入れる湯たんぽがおすすめ」(石原先生)

●末端が冷えるので寝るときも靴下を履く→温活チェック×

イラスト布団の靴下

・心地よい眠りのためには、履かない方が○

足の裏から熱が適度に放散されることで、眠りの質が保たれるため、靴下は履かない方がベター。

「足が冷えるなら、レッグウォーマーを使うと、足裏が密閉されません。また、入浴後はすぐに靴下を履いて温かさを保ち、就寝時に脱ぐ習慣にしても」(石原先生)

【足が冷えるときは…】

イラストお布団に入るアルパカ

就寝前に洗面器などで足湯をしてみましょう。冬場はすぐに冷めてしまうので、湯温は熱めの43℃くらいに設定。5~10分つかれば、ポカポカになります。温まったら、冷えないうちにすぐに布団へ。