●息子たちとは友達のような関係

――ブログや書籍に頻繁に出てくる、2人の息子さんとの関係も微笑ましいです。親元を離れて独立しても、仲よくいられる秘訣はありますか?

「お互いにこまめに連絡をとっているわけではないのですが、長男は2週間に一度、ここで一緒に食事をとるのが習慣になっています。私の方から息子たちに『遊ぼうよ』と、声をかけて外出することもあります。
昔から息子たちとは、友達のように接してきたんです。夫との会話が少なかったこともあってか、毎日私を笑わせようとしてくれて。私の記憶では反抗期らしい反抗期もなかったですね。

長男が高校生の頃、『金髪にしてみたい』って、家で髪を脱色しようとしていたんです。一回やったら気がすむんだろうと思ったので、止めることはせず、『ムラなくやらないとみっともないよ』って手伝ってあげて(笑)。ちょうど連休の最初の日だったんですが、気がすんだらしく、最後の日には黒く染め直していましたね」

壁に絵
ベッドサイドには、息子さんが描いた絵を
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――ショコラさんの暮らしを拝見してると、とても身軽で、自立されていると感じます。そんなふうに暮らすには、どうしたらいいのでしょう。

「ものがたくさんある生活に満足してる人もいますし、それはそれですごくすてきなこと。逆にミニマリストのような生活も、満たされているならいいと思う。人それぞれというか、自分の基準があるかどうかですよね」

――それをつくるのが難しいんですよね。インスタグラムなどですてきなお部屋をみると、いいなと思う一方でプレッシャーになったりもします。

「私に限らず、ブログでいろいろなことを書いている人は多いですが、そういう人と比べすぎてしまうと“私はちゃんとしていない”と、悩んでしまうのではないでしょうか。家事もそうですよね。人と比べたり、人を気にしたりして、“こうしなくちゃいけない”と思ってしまう。

取材でこういうことを言うのもよくないかもしれませんが、今の人は情報に囲まれているので、あえて情報を入れすぎない方がいいかもしれません。

私も若い頃は他人と比べてしまうことがあり、ストレスになっていました。でも自分で自分を養っていかなければいけない状況になったとき、人と比べることは不幸になる無意味なことだと思ったんです。そうやって比べる気持ちが徐々になくなり、自分の基準を見つけられたのだと思います」

情報が溢れかえっている現在ですが、一旦スマートフォンを閉じて、「本当に大事なものはなんだろう?」と、自分にとっての基準を確認することが大切なのかもしれません。

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【ショコラさん】

60歳だった2016年にブログ「

60代一人暮らし 大切にしたいこと」をスタート。小さい暮らしを大切にする姿勢が共感を呼び、月間60万PVの人気ブログに。2019年、著書『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎刊)を出版