やる気だったはずなのに途中で飽きてしまう。毎日続けようと決めても、気づけば三日坊主で終わってしまう…。じつは、その原因には脳の仕組みが深く関係しています。今回は、脳神経科学を専門とするお茶の水女子大学助教・毛内拡さんに、やる気を維持するためのコツを教えていただきました。

※ この記事は『自分をつくる脳の仕組み』(オレンジページ刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集して作成しています

※画像はイメージです(画像素材:PIXTA)
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やる気が続かないのはなぜ?

やる気にはドーパミンが大きく関わっています。ドーパミンは報酬系で働き、「うま
くいきそう」「できたら気持ちよさそう」といった期待があるときに分泌されます。

ドーパミンが出ることで、私たちは「やってみよう!」「もう一度チャレンジしよう!」という気持ちになれるのです。

けれども、やる気が続かないときには、このドーパミンの分泌がうまくいっていない可
能性があります。たとえば、成果が見えにくかったり、達成感を感じづらかったりすると、脳は「報酬が少ない」と判断してしまいます。その結果、ドーパミンが出にくくなり、やる気が下がってしまうのです。

また、「最初は楽しかったのに飽きてしまった」というときも、ドーパミンの仕組みが
関係しています。脳は新しい刺激には強く反応しますが、同じことをくり返すと刺激が弱
まってしまいます。すると、ドーパミンの分泌も減って、「もういいかな」と感じやすく
なるわけです。つまり、脳は「慣れ」によってモチベーションを保つのが難しくなるのです。

やる気を下げる原因になるもの

※画像はイメージです(画像素材:PIXTA)
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やる気をコントロールしているのは、ドーパミンだけではありません。脳の前の部分にある前頭前皮質が大きく関わっています。

ここは、「今やるべきことを選ぶ」「あとでごほうびがあるから今は我慢しよう」といった「自己コントロール」を担う領域です。ところが、睡眠不足やストレス、疲れなどがあると、前頭前皮質の働きが鈍り、誘惑に弱くなったり、先延ばししやすくなったりしてしまうのです。

また、「完璧にやろう」と思いすぎることも、かえってやる気を下げる原因になります。目標が大きすぎると、達成までの道のりが遠く感じられて、「どうせ無理かも」と思ってしまう。その瞬間、脳はその活動に価値を感じにくくなり、ドーパミンの分泌も減ってしまいます。

やる気を保つためには、「小さな達成」を積み重ねて、脳に「できた!」という感覚を与えることがとても大切なのです。

また、周りの環境もやる気に影響を与えます。周囲が騒がしかったり、スマホの通知が頻繁に鳴ったりすると、集中が途ぎれてしまって「やる気スイッチ」が入りにくくなりま
す。脳は集中状態に入るまでに少し時間がかかるため、途中で気が散ると再び集中するのが難しくなるのです。