起床直後の手のこわばり、突然のめまいやふらつき、耳鳴り…。40代以降はこうした体の不調が重なる方も増えてきます。「更年期と関係している?」「それとも別の病気のサイン?」そんな疑問に、産婦人科医の高尾美穂先生がわかりやすく答えてくれました。

※ この記事は『高尾美穂のオトナ世代のこころとからだ相談室』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

手のこわばり
明け方、なぜか手のこわばりが…40代からの体の悩みを産婦人科医が解説(画像イメージ:PIXTA)
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Q:とくに寝起きに手がこわばり、痛みを感じます

手が痛くて生活に支障が。

最初は、手のこわばりについての質問です。

「起床直後に手の指がこわばるように。指が曲がりにくく、痛いときはペットボトルのフタもあけられないぐらい。握力も下がりました。なにかいい対処法があれば教えてください」(47歳)

A:更年期特有のメノポハンドの可能性が。治療は整形外科、相談は婦人科へ

手のこわばりというと関節リウマチを思い浮かべる人もいますが、女性ホルモン・エストロゲンの減少も関係しています。

指の関節や腱の周囲には、関節のスムーズな動きを助ける「滑膜」という薄い膜があります。女性ホルモンはこの滑膜を保護する役割を担っていますが、更年期に入りホルモン量が減少すると滑膜に炎症が起こり、関節が腫(は)れて痛むようになります。つるつるとなめらかだった関節の動きが、ギシギシときしむのです。

さらに関節の動きが悪くなると、骨同士がぶつかり摩擦や変形が起こりやすくなります。骨は摩擦を軽減しようと骨棘(こつきょく)というトゲのような余分な骨を形成しますが、これが痛みの神経を刺激し、さらに不快感を強めることがあります。

更年期における手のトラブルで有名なのが「ヘバーデン結節」です。これは親指以外の指の第一関節に腫れや痛みが出る関節症です。そのほかにも、指の第二関節に痛みが出てこぶができる「ブシャール結節」、親指のつけ根あたりが痛む「母指CM関節症」などがあります。痛みが生じると指に力が入らず、ペットボトルのフタがあけにくくなるなどの支障が出る方も少なくありません。

●メノポハンドは家族歴に関係性が

なお、女性ホルモンの減少を原因とした手指のトラブルは、近年、日本手外科学会によって「メノポハンド」と命名されました。関節リウマチと原因が異なるため、治療法には婦人科的なアプローチが有効とされています。とくに効果的なのがエクオールを含むサプリメントです。

メノポハンドは、家族歴の関係性が指摘されています。もし、祖母や母親が手のこわばりに悩んでいた記憶があり、手に違和感を覚えることがあるなら、早めに整形外科や婦人科で相談をしましょう。メノポハンドの疑いは、婦人科で相談を。ただし、婦人科で治療は難しく、また関節リウマチの診断も必要なので整形外科も受診して。