フランス料理と聞くと、手の込んだ高級料理を想像する人が多いのではないでしょうか。しかし、「実際にフランス人が毎日食べているのは、手早くできるシンプル料理です」と話すのは、フランス文化研究者でフランス人の夫と暮らすペレ信子さん。仕事のあとに帰宅してからでもサッとつくることができ、寒い冬に体が温まるフランス定番のレシピを3つ、日本で手に入る食材でご紹介してくれました。

食卓のようす
冬の温かな食卓はそれだけでうれしい
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1:白菜が大量にあったらつくりたい「白菜のグラタン」(Gratin de côtes de bettes)

グラタン

フランスで冬によくグラタンで食べられる野菜にbette(もしくはblette)というのがあります。

日本語の訳は「フダンソウ」。ターツァイという野菜の茎の部分を白く太くしたようでもあり、葉の部分が緑色の白菜のようにも見える野菜で、味はマイルドです。

緑の部分はホウレンソウのようにゆでて食べることが多いですが、白い茎の部分は冬によくグラタンにします。

日本では見かけない野菜なので、似ている白菜でつくってみます。

●白菜のグラタン

【材料(つくりやすい量)】

  • 白菜 1/2(大きめなら1/4個)
  • バター 10g
  • 小麦粉 大さじ1~2
  • 牛乳 200mL
  • 塩 少々

【つくり方】

(1) フライパンにバターを入れ、白菜を3cm角に切って、塩を少々振って炒める。少ししんなりしたら、小麦粉を振り入れて全体的に粉っぽさがなくなるまで炒めます。

(2) 牛乳を200mL加えて少し煮る。

(3) とろみがついたら、耐熱皿に移してそのままオーブンのグリル機能かトースターで焼き色をつける(200℃で20~30分程度)。焼き目がついて温かくなればOKです。

味つけは塩だけ。上にパルメザンチーズやピザ用チーズをかけて焼いてもおいしいです。

焼いた肉、ウインナソーセージ、ハムなどのつけ合わせに。白菜の大量消費にもおすすめです。

2:チーズがとろ~り「カマンベールとジャガイモのグラタン」(Tartiflette)

グラタン

フランスのアルプスが近いサヴォア地方にタルティフレットという料理があります。この地方の「ルブロション」という円形のチーズを使ってつくる料理です。ルブロションは日本では手に入りにくいので、国産のカマンベールで代用します。

●カマンベールとジャガイモのグラタン

【材料(つくりやすい量)】

  • カマンベールチーズ 1/2個
  • ジャガイモ 3~4個
  • タマネギ 1/2個
  • ベーコン 4枚
  • 白ワイン(なければ水でも可) 100mL
  • 牛乳もしくは生クリーム 200mL

【つくり方】

(1) ジャガイモの皮をむいて7mmくらいの厚さに切り、鍋でゆでるか電子レンジで加熱してやわらかくし、耐熱皿に並べる。

(2) フライパンにタマネギの薄切りとベーコンの短冊切りを入れてバターで炒める。

(3) タマネギがしんなりしたら、あれば白ワイン、なければ水を入れて沸騰させ、フライパンについたうま味を溶かします。

(4) 牛乳か生クリームを加えて熱し全体を、全体を混ぜる。

(5) (4)をジャガイモにかけ、横半分に切ったカマンベールを皮を上にしていちばん上にのせる。

(6) オーブンのグリル機能かトースターで焼き色をつける(200℃で20~30分程度)。

ベーコンとチーズに塩分があるので、塩を加えるときは控えめにしてください。