フランスにて、3人の子どもたちとフランス人の夫と暮らす、日本人のデジタルクリエイター・ロッコさん。完璧主義だったロッコさんは、フランス生活の中で「賢く手を抜き優雅に生きる暮らし方」を身につけたそう。かつて「完璧な母親でいなくては」と思い込んでいたロッコさんを救った、フランス流・ママとしての生き方を紹介します。

街並み
フランス人の夫と暮らすロッコさんの、母親としての生き方とは
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心が軽くなる、フランス流・子育ての考え方

フランスで9年間暮らしているロッコさんは、3人の子どもたちのママ。9歳、7歳、1歳の子どもたちと、にぎやかな毎日を送っています。

「じつは、元々子どもが苦手だったんです。そんな私がフランスで子育てをするなんて、まったく想像していませんでした。当初は子育ての自信もなく、慣れない土地で、文化も言語も異なるなかでの育児は、不安や戸惑いの連続。問題が起こるたびに検索魔になり、必死で『正しい育て方』を探していました」

完璧な育児を目指していたロッコさんは、フランスの人々がかけてくれた言葉で心が軽くなったといいます。

「『完璧な親なんていない』『子どもは自分で育つ力をもっている』という言葉で、肩の力が抜けたように思います。フランス人の『ちゃんとするけれど、完璧は目指さない』生き方に触れて、母として完璧であることを手放せたんです。これからも、『母だから』という考えを手放して、私自身としての人生も楽しんでいきたいです」

ママだって1人で出かける

「母親だから、子どもとずっと一緒にいるべき」と考える必要はないと気づいたエピソードがあります。

数年前、保育園の先生に「週末は子どもと過ごすの?」と聞かれ、「一緒に過ごします」と答えたら、「え、休まないの? 大丈夫?」と本気で心配されたのです。

親であっても、自分の時間を大切にするフランス。子どもを預けて夫婦で食事に出かけたり、1人で旅行することに最初は驚きましたが、彼女たちにはまったく罪悪感がありません。むしろ「私たちがハッピーじゃないと、子どもも楽しくないよね!」と笑顔で話す姿が印象的でした。

それからは自分の心地よさを考えたり、ひとりの時間を意識したりするようになり、気づけばわが子のほうから「お出かけ楽しんで!」と言われるまでになっていました。