夫婦2人で築35年の賃貸マンションで、ものを厳選してすっきり暮らす、深尾双葉さん(41歳)。9月に入ってから、不思議と家のあちこちでものが壊れてしまうできごとが続いたそう。壊れてしまったものは、リサイクルできるものもあれば、潔く廃棄するしかないものもあります。そこで、「手放す」ことについて、考え直すきっかけとなったと話す深尾さんに、このひと月で手放したものについて語ってもらいました。
すべての画像を見る(全6枚)1:2度も壊れた「布団乾燥機」
使わない時期はクローゼットの上に置かれ、思いのほか場所を取っていたホース式の布団乾燥機。数年前にホースが破損し、交換にはそれなりの費用がかかることから、結局は同じものを新しく買い直しました。けれども今年、また同じようにホースが壊れてしまったのです。
2回も壊れた経験を経て、次に選ぶべき布団乾燥機の条件がようやく心のなかで固まりました。
それは「コンパクトで場所を取らないこと」、「ホース式ではないこと」、「黒い色で手持ちの家電や暮らしの風景に馴染むこと」の3つです。
そうして迎えた新しい布団乾燥機は、引き出しにも収まりそうなサイズ感で、使い勝手の軽やかさに驚かされます。無駄のない形は、シンプルでありたいと願う今の暮らしにも、すっと馴染みました。
白ではなく黒を選んだことも正解で、クローゼットのなかでひときわ目立っていた家電が、ようやく風景に溶け込んでくれたのです。実用性と美しさの両方がそろった今、ようやく肩の力が抜け、ほっと安堵しています。
2:8年間、一度も使わなかった「ミシン」
2024年に大きな捨て活をおこなった際、最後まで迷って手元に残したのがミシンでした。今の家に引っ越したときに購入したもので、もう8年近くが経ちます。
しかし、この8年間で一度も使う機会はありませんでした。
ほかのものは簡単に手放せたのに、ミシンだけ処分できなかったのは「今年は洋服をつくりたい」という気持ちがあったからです。けれど、1年ほど経ってもそのときは訪れず、結局は眠ったまま。
思いきって手放す決心がついたのは、洋服づくりに時間を割くことが今の暮らしには難しいとわかったからです。そして、手縫いで十分だと実感できたからでした。
とくにダーニングは拙いながらも楽しく、繕いのひとときが心を満たしてくれます。だからこそ、必要になればまたリサイクルショップでよい1台に出合えばいいと、前向きに思えるのです。
ミシンはありがたいことに、リサイクルショップへ引き取っていただきました。